生涯を通じた健康の実現に向けた「人生最初の1000日」のための、妊娠前から出産後の女性に対する栄養・健康に関する知識の普及と行動変容のための研究

文献情報

文献番号
202107011A
報告書区分
総括
研究課題名
生涯を通じた健康の実現に向けた「人生最初の1000日」のための、妊娠前から出産後の女性に対する栄養・健康に関する知識の普及と行動変容のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20DA1006
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
荒田 尚子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター病院 周産期・母性診療センター母性内科)
研究分担者(所属機関)
  • 杉山 隆(愛媛大学医学部)
  • 瀧本 秀美(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部)
  • 大田 えりか(伊東 えりか)(聖路加国際大学大学院 看護系研究科 国際看護学)
  • 前田 恵理(秋田大学大学院医学系研究科衛生学・公衆衛生学講座)
  • 秋山 美紀(慶應義塾大学 環境情報学部)
  • 小川 浩平(国立成育医療研究センター 産科)
  • 三瓶 舞紀子(日本体育大学 体育学部健康学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
8,808,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
妊娠前から出産後の女性に対する栄養・健康に関する知識の普及と行動変容のための持続可能、発展可能なプラットホームの骨組みを開発する。
研究方法
①現代女性が最も利用する情報収集ツールはスマートフォンであることから、スマートフォンアプリを利用し妊産婦に対して妊娠中の栄養や生活習慣に関する知識の普及やアドバイスを行い、行動変容を促すツールとしての効果、妥当性について検討を行うための基礎データを収集した。
➁平成22年乳幼児身体発育調査データならびに平成13年以降の国民健康・栄養調査データを用いて母体の妊娠前状況と乳幼児の体格(WHO発育曲線で評価)を分析し、全国レベルでの妊婦の栄養素など摂取量の推移を分析した。
③情報-動機づけ-行動スキル(IMB)モデルを用いて,将来のリプロダクティブヘルスに関連する健康リスクの回避のための情報,動機,行動スキルに焦点をあて,健康リスクや保健医療利用に関する情報を理解しやすく,若年層でも受け入れやすいプレコンセプション期の介入ツールの開発を行った。
④本邦女性のプレコンセプション期の生活習慣とTime-to-Pregnancy(避妊をやめてから妊娠までの月経周期数)との関連を明らかにするため、妊娠前女性の前向きコホート調査を開始した。
⑤妊娠中の体重増加量が出生後の児の体格と関連するかどうか、成育医療研究センターにおける単施設出生コホート研究データベースを用いて、横断研究を行った。
⑥妊娠・出産時に何らかの異常がありインターコンセプションケア(ICC)を要した者における計画外妊娠を防止するためのICCの認識について、また、特に糖尿病及び高血圧に関する妊娠・周産期異常を経験した女性について、産後に医療従事者から受けたICCの認識と健康行動及びそれらの属性による特徴をウェブ調査で調べた。
⑦インターコンセプションケアおよび産後の栄養・健康に関する知識の普及のためのプログラムでに用いるリーフレットを開発した。令和2年度に作成したプレコンセプションケアの知識に関するリーフレットである「プレコンノート」を基に、プレコンセプションケアチェックツールの開発を行った。
結果と考察
① 妊産婦への全国スマートフォンアプリでの基礎調査では、BMI<18.5 kg/m2が18%、18.5-22.9 kg/m2が61%、23-24.9 kg/m2が11%、25 kg/m2以上が9.9%と日本人若年女性を反映した集団であった。
➁ 乳幼児身体発育調査結果の6,584名の乳幼児の身体発育状況について、低身長(Height for age Z score <-2)は、在胎週数別体重、母の妊娠中体重増量等との関連性が認められた。エネルギー・たんぱく質・脂質の摂取量は平成18年をピークに平成22年まで減少したのち、徐々に増加していたが、カルシウム・鉄・葉酸の摂取量は平成18年から22年にかけて減少後、ほぼ変化は見られなかった。
③「全国プレコンてすと」という妊娠前の男女が対象のウェブ上の健康自己管理支援ツールを開発した。
④ 採血データ・健診データとアンケート結果を突合して実施する地方都市コホート参加者318名のベースライン調査ではやせの頻度が高く、推定エネルギー摂取量と食事性葉酸の推定摂取量が少ないなど、国民健康・栄養調査や先行研究と共通する結果が得られた。インターネットコホートでは3,796名が初回調査に参加し、6か月後追跡調査には2118名(56%)が参加した。Fecundability odds ratiosは、年齢、妊娠歴、葉酸サプリメント内服のほか性交渉頻度と関連していた。
⑤ 935名が解析対象となり、妊娠中の体重増加が不良や増加過多と、3歳時点での子供の痩せや肥満のリスクは関連しなかった。
⑥ 妊娠・出産時に何らかの異常がありICCを要した者であっても計画外妊娠を防止するためのICCの認識は低く、糖尿病及び高血圧に関する妊娠・周産期異常を経験した者において、1か月、4か月での乳幼児健診時では疾患に呼応するICCの内容の妊娠期も低かった。
⑦ インターコンセプションケアおよび産後の栄養・健康に関する知識の普及のためのプログラムでに用いるリーフレットを開発した。令和2年度に開発した「プレコンノート」を基に、プレコンセプションケアチェックツールの開発を行った。
 日本のプレコンセプション期や妊娠期の栄養やそのほかの知識に関する認知度は低く、行動にも結びついていないことが明らかになった。妊娠中の栄養は、乳幼児の身長に影響し、その重要さが確認された。
結論
令和3年度までに開発された、プレコンセプション期、妊娠期、産後の介入プログラムを用いて、令和4年度には、実証を行い、さらに実現可能でかつ行動変容を起こすことのできる介入プログラムを完成させる必要がある

公開日・更新日

公開日
2026-02-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-11-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202107011Z