同種末梢血幹細胞移植を非血縁者間で行う場合等の医学、医療、社会的基盤に関する研究

文献情報

文献番号
200832042A
報告書区分
総括
研究課題名
同種末梢血幹細胞移植を非血縁者間で行う場合等の医学、医療、社会的基盤に関する研究
課題番号
H20-免疫・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
宮村 耕一(名古屋第一赤十字病院 血液内科)
研究分担者(所属機関)
  • 小寺 良尚(愛知医科大学 医学部造血細胞移植振興寄附講座)
  • 日野 雅之(大阪市立大学 医学部血液腫瘍制御学)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部内科血液研究室)
  • 田中 淳司(北海道大学大学院 医学研究科血液内科学分野・血液内科学)
  • 長藤 宏司(久留米大学 医学部血液内科学講座血液内科部門)
  • 金 成元(国立がんセンター中央病院 特殊病棟部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ほとんどの諸外国ですでに行われており、ドナーと患者双方に恩恵をもたらす非血縁者間末梢血幹細胞移植を本邦において速やかに実施することを最終目的として、その医学、医療、社会的基盤を作る。すなわち1)今まで蓄積された血縁者間末梢血幹細胞移植のデータを再解析し、安全で効率的な末梢血幹細胞採取を行うための検討事項を抽出する。2)ドナーの意向と安全性に配慮したコーディネーマニュアルを骨髄バンクのドナー安全委員会と共同で作成する。3)安全で効率的な末梢血幹細胞採取を保障するドナー適格基準、採取施設基準、採取マニュアルを海外の情報も参考に作成する。4)ドナーの中長期有害事象を把握するドナーフォローアップシステムを確立する。5)移植成績を前向きに検討するする試験を計画する。
研究方法
①非血縁者末梢血幹細胞ドナーにおける短期、中期、長期の安全性を確認する前方視的研究を行う。②同移植による社会的利益にの予測を行い、非血縁者間末梢血幹細胞移植が開始後は、これらの予想を前向きに検討する。③血縁者間同種末梢血幹細胞移植ドナーの安全性の解析について論文化する。④ドナーの意向が尊重される形での末梢血幹細胞と骨髄との選択決定方法などを含めたドナーコーディネートマニュアルを作成する。⑤海外のバンクにおけるドナーの適格性、採取方法、ドナー有害事象などの情報を集める⑥必要となる施設数を検討する。施設に備えるべき、医師、看護師、救急体制などの要件を検討し、これをもとに採取施設認定基準を作成する。⑦ドナーの安全が担保できるためのG-CSF投与、採取方法についての末梢血幹細胞採取マニュアルを作成する。
⑧最初の100例までの非血縁者間末梢血幹細胞移植は臨床研究として行う。
結果と考察
計画通りに①ドナーコーディネートマニュアル、②ドナー適格基準、③採取および移植施設基準、③採取マニュアルについて繰り返し議論するとともに、欧米の視察を行い、これを完成させた。またドナー有害事象、移植成績を前向き検証するプログラムも作成中である。

結論
非血縁者末梢血幹細胞移植の開始に向けて、予定通りマニュアルの原案が作成され、今後は各学会、医療機関、骨髄移植推進財団と調整を図り、最終版を作成する。

公開日・更新日

公開日
2009-09-10
更新日
-