わが国の成人の喫煙行動及び受動喫煙曝露の実態に関する全国調査

文献情報

文献番号
200825050A
報告書区分
総括
研究課題名
わが国の成人の喫煙行動及び受動喫煙曝露の実態に関する全国調査
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
尾崎 米厚(鳥取大学 医学部社会医学講座環境予防医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 岸本 拓治(鳥取大学 医学部)
  • 大井田 隆(日本大学 医学部 公衆衛生部門)
  • 福島 哲仁(福島県立医科大学 衛生学)
  • 神田 秀幸(福島県立医科大学 衛生学)
  • 谷畑 健生(国立保健医療科学院 疫学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の成人の喫煙行動及び受動喫煙曝露の実態を明らかにするための予備調査を実施した。訪問面接調査による調査票によるインタビュー調査と毛髪検査によるタバコ煙曝露の中長期的バイオマーカー測定方法の開発による客観的曝露指標検査を組み合わせた方法を検討し、神奈川県、福島県において予備調査を実施し、大規模疫学調査への適応可能性を検討した。
研究方法
1)訪問面接調査の方法の確立として、WHOの健康調査、International Tobacco Control Survey,わが国の関連する疫学調査等を参考に、訪問面接調査票を作成した。関連要因として睡眠障害、こころの健康、飲酒行動などについての調査票も作成した。次に、訪問面接調査の対象者の無作為抽出方法、調査依頼方法、調査実施方法、毛髪採取方法、調査票、検体の回収送付方法、毛髪採取のための採取キットを検討した。これらに基づき、調査員への調査プロトコールを作成した。この一連の調査について、鳥取大学医学部の倫理審査を受け、承認された。 
2)毛髪におけるニコチン、コチニンの測定方法を検討した。疫学調査に用いるため及び受動喫煙曝露を検出できるようにするために、簡便で感度の良い方法を開発した。
3)予備調査の実施。横浜市、横須賀市、福島県伊達市において、成人住民を無作為に抽出した予備調査を実施した。予備調査により、調査内容の不備の有無、調査手順、調査プロトコールを検討し、本調査にほぼ移行できる実績を得た。 
結果と考察
1)受動喫煙曝露測定方法の確立
検体の洗浄方法、簡便で短期間に多くの検体を検査できる方法としての高速液体クロマトグラフィ(HPLC)と紫外可視検出器を用いた測定方法を開発した。前処理では、水酸化ナトリウムでの加水分解後の液-液抽出を行った。そして、様々な測定機器および分析カラムを試し、フェニルカラムを用いることにより、能動喫煙と受動喫煙を識別できる方法を明らかにした。
2)予備調査の結果
成人の喫煙行動は、改善傾向にあり、喫煙対策の進展の成果ともいえる。まだ受動喫煙のほぼ対策など改善の余地のある対策もあり、今後の課題である。毛髪検体を依頼した者に対する提供者割合は、当初の予測よりかなり高く、全国を代表するような疫学調査への応用の可能性が大きくなった。    
結論
全国調査の準備のための、調査票の作成、調査方法(サンプリング、調査手順、検体採取方法など)、受動喫煙曝露測定のためのバイオマーカーの確立を行い、全国調査の準備を完了した。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-