日本人の食事摂取基準の活用方法に関する検討

文献情報

文献番号
200825021A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の食事摂取基準の活用方法に関する検討
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
由田 克士(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム 国民健康・栄養調査プロジェクト)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 茂(お茶の水女子大学 生活科学部)
  • 石田 裕美(女子栄養大学 栄養学部)
  • 今枝 奈保美(名古屋女子大学 家政学部)
  • 荒井 裕介(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム 国民健康・栄養調査プロジェクト )
  • 森田 明美(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム 国民健康・栄養調査プロジェクト )
  • 吉池 信男(青森県立保健大学 健康科学部 )
  • 三浦 克之(滋賀医科大学 医学部)
  • 堤 ちはる(日本子ども家庭総合研究所 母子保健研究部)
  • 佐々木 敏(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 柴田 克己(滋賀県立大学 人間文化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人の食事摂取基準(2005版)示されている個人・集団に対するアセスメント(評価)とプランニング(計画)に関する記載(活用に関する考え方)は、アメリカ・カナダのDRIsにおける活用の考え方の概略がごく簡単に示されているだけで、そこから得られる情報は限られている。このため、実践現場において問題なく適切に対応できる状況には至っていない。そこで、本研究においては、わが国の状況に応じた食事摂取基準の活用方法を検討し具体化させることを目的とした。
研究方法
日本人の食事摂取基準を活用する際の「集団」の捉え方について、関連諸制度を考慮して分野別に詳細な整理を行った。また、管理栄養士等が日本人の食事摂取基準を業務に活用する際に難しいと捉えられている部分を明らかにすると共に、これらを解決するために望んでいる支援策を年齢階級別や専門とする分野別に検討した。また、食事摂取基準を活用した適切な栄養管理が浸透するよう、具体的な手順や根拠等を取りまとめた、手順書と解説書の性格を併せ持つ活用書の取りまとめを開始した。さらに、アメリカ、イギリス、韓国3か国における食事摂取基準(DRIs、DRV、KDRIs)の活用状況に関する最新の情報も収集し、これまでの知見と合わせ本研究全般の参考とした。
結果と考察
わが国の状況を勘案して「集団」を大別すると、1:国や地方自治体における行政施策、2:健康増進施設(いわゆるスポーツクラブ等)等や小中学校の栄養教諭によって行われる栄養教育、3:不特定多数に対しての情報提供の要素を併せ持つ栄養教育、4:健康人、ハイリスク者、傷病者、要支援者を対象とした給食(栄養補給)業務、の4つに分類することができる。さらに具体的な業務内容に応じた理論設計・集団区分・評価と計画が必要であることが整理された。
結論
日本人の食事摂取基準を適切に活用することは、国民の健康の保持増進や生活習慣病予防対策にとって極めて有効な手段のひとつとして考えられる。しかし、食事摂取基準本体に示される概念や数値は専門的であり、翻訳者的な立場としての管理栄養士等の役割が必要である。そこで、まずは管理栄養士等が正しく活用するための、活用書を取りまとめている(未定稿)。次期日本人の食事摂取基準(2010年版)が公表された時点で加除修正を行い完成させるとともに、これまでに得られた知見を生かした普及啓発活動を実施する。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-