がん患者や家族が必要とする社会的サポートやグループカウンセリングの有用性に関する研究

文献情報

文献番号
200824035A
報告書区分
総括
研究課題名
がん患者や家族が必要とする社会的サポートやグループカウンセリングの有用性に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
保坂 隆(東海大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松島英介(東京医科歯科大学大学院心療・緩和医療学分野)
  • 河瀬雅紀(京都ノートルダム女子大学心理学部心理学科)
  • 下妻晃二郎(立命館大学理工学部化学生物工学科)
  • 堀 泰祐(滋賀県立成人病センター緩和ケア科)
  • 所 昭宏(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 長谷川 聡(北海道医療大学看護福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
12,106,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん患者や家族へのグループ療法の効果を実証することを目的とする。
研究方法
グループ療法ができるファシリテーター養成講座の実施と,ファシリテーターに必要な因子を解析した。また家族からのニーズ調査もした。グループ療法を受けた群と受けない群でのQOLを比較検討した。グループ療法をがん患者の家族や,遺族ケアに応用できるか否かについても明らかにしたい。
結果と考察
ファシリテーター養成講座を全国15カ所で実施し,受講者は計1,038名となった。参加者(多くは医師とコメディカル)に対して独自に作成した素質に関する10項目の得点を用いた因子分析の結果,2因子を得た。第1因子は「予測・理解・調整・分析」などから成る「人間関係力」,第2因子は「司会・説明・統率」などから成る「司会進行力」と考えられた。実際,グループ療法を受けた群と受けない群(ともに乳がん患者)でのQOLには有意差はなかったが症例数が足りないために次年度も継続する。
また,肺がん患者・家族のグループ療法への認知度は約15-20%と低いが,必要性,参加希望は約40%あり,肺がん患者・家族へのグループ療法の実施準備状況にあることを確認できた。遺族ケアもまだ1グループだけしか施行できていないので次年度の課題である。
結論
ファシリテーター養成講座も,約90ページから成るテキストと,3レッスンを収録したDVD3枚組みと上述したリラクセーションDVDを作成できた。今後はこれらの媒体を用いた研修方法も可能になってきた。また,肺がん患者の家族へのグループ療法や,遺族ケアへの応用も次年度の課題である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-01
更新日
-