要保護児童における被虐待による問題や障害等の類型化された状態像とケアの必要量の相互関連に関する研究

文献情報

文献番号
200822024A
報告書区分
総括
研究課題名
要保護児童における被虐待による問題や障害等の類型化された状態像とケアの必要量の相互関連に関する研究
課題番号
H20-子ども・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院 福祉サービス部)
研究分担者(所属機関)
  • 庄司 順一(日本子ども家庭総合研究所 子ども家庭福祉研究部)
  • 山縣 文治(大阪市立大学大学院 生活科学研究科)
  • 東野 定律(静岡県立大学 経営情報学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、要保護児童の状態とケアの必要量に関する分析を行い、児童の状態に応じた支援体制を類型化し、効果的な処遇を図るための資料を提供することである。この研究が必要性とされる理由は、近年、児童福祉施策において、社会的養護を必要とする児童が増加し、その体制の拡充に向けた取り組みが強く求められているからである。
研究方法
1)全国の児童入所施設の概況、全入所児童に関する基本属性、ケアの形態、心身の状況、ケアのミスマッチの状況、及びケアの負担感などの詳細な調査を行い、社会的養護に係る供給量とその社会的養護を必要とする児童の特徴とそのニーズに関する基礎資料を収集した。
2)乳児院において、看護必要度を用いた入所児童の状態像調査、および1分間タイムスタディ調査によるケア供給量を数量化した。分担研究では、児童入所施設職員等に対するケア内容に関するヒアリング調査をもとに、児童入所施設を調査する際の業務分類コードの開発および児童におけるアセスメントの妥当性を検討した結果を示している。
結果と考察
1)全国の児童入所施設の人員配置、設備等の基準、全入所児童の基本属性、ケアの形態を含む運営状況等、児童の在籍状況、入所児童の心身の状況や入所児童に対するケアのミスマッチの状況、ケアの負担状況、職員の職種別配置状況や勤務状況といった全国ではじめての悉皆調査による結果を示した。ここまでのデータから、社会的養護に係る施設の全国におけるデータベースが構築された。また、全国すべての社会的養護施設に入所している児童のデータを用い、これらの児童のケアの必要度を測定するための尺度として、「要ケア度(仮)」を開発した。
2)パイロット研究として入所乳幼児の状態から適正な人員を推定し、現状と比較した。
3)ケアの内容とその時間は、他計式1分間タイムスタディ法によって測定した基礎データを用いて、乳幼児等の状態とケア内容別業務量の相互関連について分析した。
結論
本研究の成果によって、社会的養護におけるケアの資源と必要量の関係から、児童入所施設の適正配置のあり方を検討するための基礎的な資料を提示できた。とくに乳児院の現状のケア量から、現在の人員の不足について科学的に示せたことは、他の種別施設の調査を実施する際に重要な資料として提供できるものになった。

公開日・更新日

公開日
2009-07-16
更新日
-