食品行政における国際整合性の確保と食品分野の国際動向に関する研究

文献情報

文献番号
202024033A
報告書区分
総括
研究課題名
食品行政における国際整合性の確保と食品分野の国際動向に関する研究
課題番号
20KA2001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 豊福 肇(国立大学法人 山口大学 共同獣医学部)
  • 千葉 剛(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
  • 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所  安全情報部第三室)
  • 坂井 隆敏(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
  • 窪崎 敦隆(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 松尾 真紀子(東京大学 公共政策学連携研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
7,675,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の主たる目的は、Codex委員会下に設置された各部会等から特に食品安全の観点から選択した9つの部会を対象とし、それら部会におけるわが国政府の活動を支援することである。この目的の達成のため、Codex委員会への対応に必要な科学的知見や国際動向を整理・分析し、今後考慮すべき事項として提言する。その他に、社会的受容を得るためにも国際的な食品安全行政に関するリスクコミュニケーションを推進させ、食品安全行政に係る国際交渉等を行う政府職員の能力を向上させることも目的とする。
研究方法
 Codex委員会下の各部会及びその関連会議における過去の議論、各国の立場、わが国政府の対応を各部会報告書等の詳細な検討により整理すると共に、リスクアナリシスに係る各種データ等の科学的知見や情報を、各国政府機関や学術領域、また関連食品事業分野から収集し分析する。さらに必要に応じて、加盟各国が実施する施策等の情報も同様に収集し、分析する。それらの結果をとりまとめ、基礎資料を作成するとともに、電子的作業部会(EWG)等へのコメント、会合への対処方針作成や議場での政府職員の対応を支援するとともに、部会報告書の作成に協力する。また、食品安全に関する国際的な情報を広く社会に発信するシンポジウムを企画・開催するほか、政府職員の国際対応能力向上のための教育プログラムを開発するとともに研修のあり方について検討する。
結果と考察
Codex委員会下に設置された食品衛生部会、食品汚染物質部会、食品残留動物用医薬品部会、残留農薬部会、食品添加物部会、栄養・特殊用途食品部会、分析・サンプリング法部会、食品輸出入検査・認証制度部会、一般原則部会を研究対象とした。2020年度に計画されていた物理的会合は、COVID-19拡大防止の観点からほぼ全てが延期された。しかし一方では、EWGによる検討が期間を延長して継続され、ウェビナーのような、webベースの情報共有の機会が提供されるなどした。このように、Codex委員会の活動が一時的に制限され変化したことを柔軟に受け止め、本年度の研究は実施された。議場等での発言に対する助言提供の機会はなかった。しかし EWG 等への取組をより深めることに加え、今後のCodex委員会への取組に必要な検討を行い基礎資料を作成することや、Codex委員会における課題を国内の課題として検証することなど、多様な課題に取組んだ。本研究班の支援の元で、多数の EWG、あるいは加盟国政府を対象とする募集に対して、わが国からのコメントが提出された。
 2019年に国連総会決議で「世界フードセーフィティーデイ」が定められ、2020年WHO総会において食品安全決議「食品安全の取り組み強化」が採択されたことを踏まえ、「食品安全確保の強化を目指して-WHOの食品安全決議をふまえた日本の取り組み」と題したシンポジウムを、山本尚子事務局長補、並びに山本ライン氏をWHOから講演者として迎え、本研究班研究分担者による課題報告と併せてオンラインで開催した。その他にも、厚生労働省と共同して世界フードセーフィティーデイの日本語版公式パンフレット「フードセーフティーはみんなの仕事-世界フードセーフティーデイ2020へのガイド」を作成し、FAOのwebサイトに掲載するなどの活動を行った。
2020年中にオンラインで開催された食品安全行政の国際化戦略のためのリスク管理者向け研修の企画立案に協力し、教材の提供及び講師を担当した。
結論
 計9つのCodex部会での議論やそれに関連する加盟国の施策、該当する食品事業分野における実際の取組等の情報を収集・解析し、その結果をとりまとめて基礎資料を作成するととともに、適宜政府職員に提供しEWG等に提出するコメント作成を支援した。山本尚子事務局長補、並びに山本ライン氏をWHOから招聘し、世界フードセーフィティーデイ関連シンポジウムを企画・開催した。研修の受講を通じて、政府食品の食品安全分野における国際対応力の養成と強化が図られた。

公開日・更新日

公開日
2021-11-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-11-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202024033Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,675,000円
(2)補助金確定額
7,675,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,841,384円
人件費・謝金 1,341,904円
旅費 27,448円
その他 4,464,264円
間接経費 0円
合計 7,675,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-07-01
更新日
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