介護保険事業(支援)計画に役立つ地域指標-全国介護レセプト等を用いて-

文献情報

文献番号
202016004A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険事業(支援)計画に役立つ地域指標-全国介護レセプト等を用いて-
課題番号
H30-長寿-一般-007
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石崎 達郎(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 高橋 秀人(国立保健医療科学院 統括研究官)
  • 太刀川 弘和(国立大学法人筑波大学 医学医療系臨床医学域 災害・地域精神医学)
  • 松田 智行(茨城県立医療大学保健医療学部)
  • 杉山 雄大(国立国際医療研究センター研究所糖尿病情報センター医療政策研究室)
  • 森 隆浩(千葉大学大学院 医学研究院総合医科学講座 )
  • 佐方 信夫(国立大学法人筑波大学 医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野)
  • 伊藤 智子(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
  • 岩上 将夫(筑波大学 医学医療系 ヘルスサービスリサーチ分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域包括ケアシステムにおいて、都道府県・市町村は、3年ごとの介護保険事業(支援)計画等の策定・実施を通じて、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムを構築することが求められている。関係する様々なデータを正しく解釈し、施策に活かすためには、時系列推移、個人・地域要因の差なども考慮した多角的な分析が必要となる。しかし、現状、多くの市町村、都道府県ではノウハウや人員不足のため、エビデンスに基づく計画の立案、PDCAサイクルの構築が十分行われているとは言えない。
そこで、本研究班では、各自治体が地域の実態把握・他地域との比較・課題分析、関係者間での認識の共有、介護保険事業(支援)計画等の策定・評価を行う際の助けとなるような、国などが一括して分析・提供すべき地域指標の開発を目指し、
 ①全国介護レセプト・公的統計等を用いた地域指標の作成とその信頼性・妥当性の検証
 ②自治体独自のデータを用いた将来的な地域指標の提案
を行なうこととした。上記においては、個人・地域要因の差を考慮したマルチレベル等の多角的分析も行い、解釈、施策立案が容易となるよう留意し、指標の信頼性・妥当性も重視する。
研究方法
本研究では、公的統計(介護給付費(等)実態調査、介護サービス・施設事業所調査、人口動態統計調査、医療施設調査、国民生活基礎調査、中高年者縦断調査等)、NDB、介護DBを用いて介護保険事業(支援)の評価に活用可能な指標を検討した。さらに、自治体独自の包括的なデータ(医療・介護突合レセプト、死亡の特定が可能な台帳データ)を用いて、地域指標の作成を進めた。
結果と考察
令和3年度は、介護総合データベースを用いて、市町村別初回要介護認定時平均年齢及び初回要介護認定時平均要介護度を算出し、地域指標としての活用方法を提案した。また、統計法33条で受領した介護レセプトを用いて要支援者の平均余命と健康期間、介護老人保健施設に入所直後の入院、居宅サービスの利用、精神指標(睡眠、うつ、認知症)といった様々な視点から指標の作成・提案を進めた。さらに、NDBを用いて健康寿命に関連する疾病要因、要介護認定調査の要介護度の自立度の関係、を明らかにし、指標の信頼性・妥当性の検証を行った。さらに、オープンデータである介護保険事業状況報告のデータを用いて市町村別に見た介護保険サービス費用を地域指標として検討し、地域差を分析した。
結論
令和3年度では、令和2年度に続き、介護保険事業(支援)計画に役立つ地域指標を様々な視点から作成・提案を進めた。また、3年分の最終報告書に向け、本研究班のまとめを行い、どのような指標が介護保険事業(支援) 計画にどのように役立つのか、さらに、どのように活用していくべきかについての提言を行った。本研究班で作成・提案した地域指標は、科学的介護につながり、介護保険事業(支援)におけるPDCAサイクルの指標として活用できると期待される。

公開日・更新日

公開日
2021-10-08
更新日
2023-03-28

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-10-08
更新日
2022-07-14

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202016004B
報告書区分
総合
研究課題名
介護保険事業(支援)計画に役立つ地域指標-全国介護レセプト等を用いて-
課題番号
H30-長寿-一般-007
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石崎 達郎(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 高橋 秀人(国立保健医療科学院 統括研究官)
  • 太刀川 弘和(国立大学法人筑波大学 医学医療系臨床医学域 災害・地域精神医学)
  • 松田 智行(茨城県立医療大学保健医療学部)
  • 杉山 雄大(国立国際医療研究センター研究所糖尿病情報センター医療政策研究室)
  • 森 隆浩(筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野)
  • 佐方 信夫(国立大学法人筑波大学 医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野)
  • 伊藤 智子(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
  • 岩上 将夫(筑波大学 医学医療系 ヘルスサービスリサーチ分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域包括ケアシステムにおいて、都道府県・市町村は、3年ごとの介護保険事業(支援)計画等の策定・実施を通じて、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムを構築することが求められている。関係する様々なデータを正しく解釈し、施策に活かすためには、時系列推移、個人・地域要因の差なども考慮した多角的な分析が必要となる。しかし、現状、多くの市町村、都道府県ではノウハウや人員不足のため、エビデンスに基づく計画の立案、PDCAサイクルの構築が十分行われているとは言えない。
そこで、本研究班では、各自治体が地域の実態把握・他地域との比較・課題分析、関係者間での認識の共有、介護保険事業(支援)計画等の策定・評価を行う際の助けとなるような、国などが一括して分析・提供すべき地域指標の開発を目指し、
 ①全国介護レセプト・公的統計等を用いた地域指標の作成とその信頼性・妥当性の検証
 ②自治体独自のデータを用いた将来的な地域指標の提案
を行なうこととした。上記においては、個人・地域要因の差を考慮したマルチレベル等の多角的分析も行い、解釈、施策立案が容易となるよう留意し、指標の信頼性・妥当性も重視する。
研究方法
本研究では、公的統計(介護給付費(等)実態調査、介護サービス・施設事業所調査、人口動態統計調査、医療施設調査、国民生活基礎調査、中高年者縦断調査等)、NDB、介護DBを用いて介護保険事業(支援)の評価に活用可能な指標を検討した。さらに、自治体独自の包括的なデータ(医療・介護突合レセプト、死亡の特定が可能な台帳データ)を用いて、地域指標の作成を進めた。
介護保険事業(支援)の評価に用いた理論はドナベディアンの3要素アプローチであり、介護保険サービスをストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトカム(結果)に分けて検討した。さらに、わが国でアウトカム評価が乏しい観点から、アウトカム評価を積極的に推進し、多様な側面から指標となる評価項目を検討し、定量的・客観的な把握に工夫した。また、介護保険事業(支援)には、多種類のサービスがあり、各サービスの対象者の特徴やサービスの目的が異なるので、評価の側面も異なるべきである。そのため、本研究では、介護保険事業(支援)については、介護予防事業、在宅サービス、施設サービス、看取り看護の人生タイムラインに沿った四段階のサービスに分けて地域指標を検討した。介護保険は保険者である市町村が直接に運営し、都道府県が重層的に支え合う構造となっている。本研究では、介護保険制度の構造に適した指標を目指し、市町村、都道府県単位での地域指標を提案した。
結果と考察
結果、本研究では介護保険事業(支援)計画に役立つ客観的な地域指標を複数示した。さらに、指標の関連分析を行い妥当性の検証を行い、科学的に基づいた指標の作成に工夫した。
 具体的に、平成30年度は、各実施施設における倫理審査の承認を受け、利用予定としていた各種データの申請および整備を行った。並行してどのような指標を算出すべきかの議論も進め、いくつかの指標の 算出にも着手した。
令和1年度は、地域の医療・介護資源、介護サービス利用、介護費用、高齢者の死因、死亡前の 居宅介護サービス利用、要介護認定、家族介護者のストレス、精神指標(睡眠、うつ、認知症 等)といった様々な視点から指標の作成・提案を進めた。
令和2~3年度は、療養場所別の 1 年間死亡率、人生最期の介護費、介護老人保健施設に入所直後の入院、要介護度の主な原因となる脳血管疾患、認知症、骨折の有病率・罹患率、初回要介護認定時平均年齢・平均要介護度といった多角的な視点から指標の作成・提案を進めた。
結論
本研究班で作成・提案した地域指標は、科学的介護につながり、介護保険事業(支援)におけるPDCAサイクルの指標として活用できると期待される。また、指標の有効性・適切性については、今後実際に、自治体との共同によるP D C Aを通じて更なる検討をしていきたい。

公開日・更新日

公開日
2023-05-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2022-07-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202016004C

収支報告書

文献番号
202016004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,915,000円
(2)補助金確定額
5,915,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 436,398円
人件費・謝金 2,082,650円
旅費 11,100円
その他 2,019,852円
間接経費 1,365,000円
合計 5,915,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-09-12
更新日
-