建築物の衛生的環境の維持管理に関する研究

文献情報

文献番号
200738019A
報告書区分
総括
研究課題名
建築物の衛生的環境の維持管理に関する研究
課題番号
H18-健危-一般-008
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小畑 美知夫(財団法人ビル管理教育センター 調査研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 耕一(国立保健医療科学院 建築衛生部)
  • 鎌田 元康(神奈川大学 工学部 建築学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定建築物以外の建築物の衛生管理特性を把握し,維持管理上の問題点の整理および検討を行う。建築物環境衛生管理技術者と特定建築物所有者等とのかかわり方における問題点等を整理し、双方のあり方についての検討を行う。雑用水・給湯水・個別空調設備の維持管理に関する不適事例や指導事例の収集と実測調査により高い不適率の原因を検討する。
研究方法
病院に関する調査は前年度までに得られた実態調査結果と既存文献を整理した。社会福祉施設,小規模建築物,集合住宅は主に空気環境と水質の実態調査及び維持管理状況の聞き取りを実施した。建物維持管理権原者に対して管理技術者の役割等についてアンケート調査を実施した。主要6大都市の自治体に対して雑用水・給湯水・個別空調設備の維持管理に関する不適事例や指導事例の収集等を行った。また,雑用水設備の所有施設に対して維持管理実態のアンケート調査と個別空調設備に対して空気環境と設備の汚染状況の現場調査を実施した。
結果と考察
特定建築物以外の建築物では水質は良好なものの,空気環境測定はほぼ未実施であり,冬季の湿度の問題のほか,CO2濃度は病院11%,社会福祉施設28%,小規模建築物50%で超過していた。ビルオーナー17名29棟から回答が得られ,建築物衛生法をビルオーナーの90%が認知していたものの,管理技術者と直接維持管理の対話をするオーナーは22%に過ぎなかった。雑用水設備管理基準は世界最高基準であるが,不適率は10?40%と高かった。また,個別空調設備はCO2濃度や相対湿度で基準超過が散見された。また,加湿水などから多くの微生物が検出された。

結論
特定建築物以外の建築物は,設備の使い方を含めて総括的な管理者が不在であることに起因する問題点が明らかとなったため施設に応じた維持管理方法を提言する。現在までに得られた情報を整理し,管理技術者と権原者の効果的な関係を提言する。雑用水給湯水の維持管理は,より一層管理を徹底する必要があり,管理技術者が適正に維持管理できるチェックポイントの取り纏めが必要である。個別空調設備の微生物汚染が確認され,適切な維持管理の必要性が示唆されたため追加調査を実施する。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
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