文献情報
文献番号
200738008A
報告書区分
総括
研究課題名
建築物衛生における健康危機管理のあり方に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-019
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
池田 耕一(国立保健医療科学院建築衛生部)
研究分担者(所属機関)
- 加藤信介(東京大学生産技術研究所)
- 柳 宇(国立保健医療科学院建築衛生部)
- 鍵 直樹(国立保健医療科学院建築衛生部)
- 伊藤 雅喜(国立保健医療科学院水道工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は多数の人が集まる建築物における予測せぬ健康ハザードのような緊急事態が発生した場合の対策を検討し,平常時と緊急時の対策を検討することを目的としている。
研究方法
今年度では,昨年度の成果を踏まえた上で,以下に示す研究を行った。
① 建築物内における健康影響危険物質の拡散特性の数値解明に関する研究―CFD・複合モデルの完成(分担研究者:加藤信介)
②建築物内における生物化学物テロの対策に関する研究-空調システムの消毒におけるオゾンの殺菌性能の検証(分担研究者:柳 宇,鍵直樹)
③建築物内給水システムにおける飲料水の安全性確保に関する研究
(分担研究者:伊藤雅喜)
① 建築物内における健康影響危険物質の拡散特性の数値解明に関する研究―CFD・複合モデルの完成(分担研究者:加藤信介)
②建築物内における生物化学物テロの対策に関する研究-空調システムの消毒におけるオゾンの殺菌性能の検証(分担研究者:柳 宇,鍵直樹)
③建築物内給水システムにおける飲料水の安全性確保に関する研究
(分担研究者:伊藤雅喜)
結果と考察
室内空気を1節点で代表するマクロモデル(COMIS)では汚染発生室において一様に希釈された汚染空気が吸込口を介して空調機に流入するのに対し,CFDでは汚染発生室において発生した汚染質が一様に希釈される以前に高濃度のまま空調機に流入することがわかる。観測室におけるサリン濃度推移の解析手法による差異は,空調機系統における濃度推移の差異に起因したと考えられる。
一方,IMDの適応については,昨年の結果を含めて考えると一般環境における空中浮遊微生物の変動をリアルタイムで測定できること分かった。しかし,実際のバイオテロのツールとして使用する場合においてIMDがトリガーセンサーとして用いられるが,微生物を迅速かつ正確に測定するには他の迅速法を用いる必要がある。バイオテロが起きた後の空調システム再開のための殺菌を考える場合,高濃度かつ短時間は現実的な手法である。細菌のみならず,C. cladosporioidesなどのかびを99%殺菌したい場合,少なくとも90(ppm×hr)以上が必要になる。
一方,IMDの適応については,昨年の結果を含めて考えると一般環境における空中浮遊微生物の変動をリアルタイムで測定できること分かった。しかし,実際のバイオテロのツールとして使用する場合においてIMDがトリガーセンサーとして用いられるが,微生物を迅速かつ正確に測定するには他の迅速法を用いる必要がある。バイオテロが起きた後の空調システム再開のための殺菌を考える場合,高濃度かつ短時間は現実的な手法である。細菌のみならず,C. cladosporioidesなどのかびを99%殺菌したい場合,少なくとも90(ppm×hr)以上が必要になる。
結論
建築物におけるバイオテロ対策の初期段階において,最も重要なポイントはいち早く微生物(病原体など)の発生(放出)を検知し,適正な室内,室間の気流計画を行い,非難回路を確保することである。
空中微生物濃度をリアルタイムで検知する計測器IMDを用いた諸環境での検証を行い,その適応の可能性と限界が明らかになった。気流計画については,RF濃度計算法を組み込んだ”マクロ・CFD複合モデル”を開発した。本モデルと三次元CFDの計算結果の定量的な比較により,本モデルは,数回のワークステーションによる準備計算のみによって,PCレベルのCPUによっても非常に短い計算時間で,3次元CFD解析とほぼ同精度の解が算出可能であることを示した。
空中微生物濃度をリアルタイムで検知する計測器IMDを用いた諸環境での検証を行い,その適応の可能性と限界が明らかになった。気流計画については,RF濃度計算法を組み込んだ”マクロ・CFD複合モデル”を開発した。本モデルと三次元CFDの計算結果の定量的な比較により,本モデルは,数回のワークステーションによる準備計算のみによって,PCレベルのCPUによっても非常に短い計算時間で,3次元CFD解析とほぼ同精度の解が算出可能であることを示した。
公開日・更新日
公開日
2008-06-02
更新日
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