エビデンスに基づいたロコモティブシンドロームの対策における簡便な確認・介入方法の確立と普及啓発体制の構築に資する研究

文献情報

文献番号
202009026A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づいたロコモティブシンドロームの対策における簡便な確認・介入方法の確立と普及啓発体制の構築に資する研究
課題番号
19FA1017
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
帖佐 悦男(宮崎大学 医学部 感覚運動医学講座 整形外科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 耕三(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 藤野 圭司(藤野整形外科医院)
  • 大町 かおり(長野保健医療大学 保健科学部 リハビリテーション学科 )
  • 石橋 英明(医療法人社団愛友会伊奈病院 整形外科)
  • 村永 信吾(医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 リハビリテーション事業管理部)
  • 新開 省二(女子栄養大学 栄養学部)
  • 吉村 典子(東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター ロコモ予防学講座)
  • 荒川 英樹(宮崎大学 医学部附属病院)
  • 山口 洋一朗(宮崎大学 医学部附属病院)
  • 鶴田 来美(宮崎大学 医学部)
  • 塩満 智子(東都大学 幕張ヒューマンケア学部)
  • 舩元 太郎(宮崎大学 医学部)
  • 田島 卓也(宮崎大学 医学部附属病院)
  • 中村 嘉宏(宮崎大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本事業は、より効果的な都市規模を考慮した介入事業の実施・評価、より簡便なロコモ度確認手法の検討やフレイルやサルコペニアとの関係など文献レビューならびにコホート研究の結果からロコモ対策を再検討する。その結果をもとに自治体の負担が少なく様々な自治体(地域)の希望に応じたロコモ対策(予防・介入方法など)モデルを提示し、モデル地域における実践・評価を行い、健康づくり、介護など関係部署が連携したロコモ対策モデルを構築する。ロコモ認知度の地域格差に関しては、認知度が低い都道府県への介入と認知度が上昇している都道府県へ聞き取り調査を行う。事業実施にあたりロコモ関連学会などとの連携がとれており、研究者はロコモ疫学、運動機能評価や介入事業に精通しており研究遂行が可能である。
研究方法
国民がそれぞれロコモかどうかを判断するために、日本整形外科学会ではロコモ度テスト(立ち上がりテスト・2ステップテスト・ロコモ25)を、また運動機能の維持改善にはロコモーショントレーニング(以下、ロコトレ)を推奨しており、この判断方法を基本としたより簡便な介入方法を確立するため、国内外の論文等によるシステマティックレビューや疫学研究を行う。また、国内複数のフィールドにおいて介入研究を実施し、自治体の普及啓発体制に適合したロコモ対策を提示する。さらに、これまでのエビデンスに基づき検討したロコモ予防策を新規のモデル地域で行い評価することで、実際の介入効果を検証する。
結果と考察
先ずは、共通点も多く、その違いが分かりにくいとされるロコモ・フレイル・サルコペニア、この3つの疾患概念の相互関係性を整理した。また疫学データを用いて各病態の余命や健康余命に与える影響を明らかにしている。千葉県の地域住民を対象とした運動器機能評価結果を用いて、ロコモ度テストの1つである2ステップテストと通常歩行速度の関連性を検討し、結果の公表準備にとりかかっている。さらに、2020年5月に日本整形外科学会から新しく「ロコモ度3」が提唱され、大規模コホート(ROADスタディ)から、ロコモ度3の有病率を10.9%と推定した。
各地での介入研究では、介入期間(3か月以上)、運動介入(ロコトレ)を基本とし、分担研究者によって、教室型やロコモコール型、運動指導者の資格の違いなど、自治体の実施方法の選択肢を考慮した介入研究を行っている。
結論
フレイル・ロコモに対する経済的評価では、複合プログラムの実施により要介護発生のリスクが低減するとともに、介護費が抑制できる可能性が示された。また、ポピュレーションアプローチの経済的評価の結果、介護認定率が横ばいから減少に転じ、介護給付費用の抑制が推計された。また、ROADスタディより各ロコモ度の発生率ならびに関連因子が推計された。介入研究においてもプログラムの効果が示唆されており、運動器の健康への取り組みが国民の健康寿命延伸ならびに経済効果をもたらすことが示された。

公開日・更新日

公開日
2021-08-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-08-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202009026Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,175,000円
(2)補助金確定額
5,175,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,186,062円
人件費・謝金 2,661,354円
旅費 41,940円
その他 610,644円
間接経費 675,000円
合計 5,175,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-05-06
更新日
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