健康への関心度による集団のグルーピングと特性把握ならびに健康無関心層への効果的な介入手法の確立

文献情報

文献番号
202009020A
報告書区分
総括
研究課題名
健康への関心度による集団のグルーピングと特性把握ならびに健康無関心層への効果的な介入手法の確立
課題番号
19FA1011
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
福田 吉治(帝京大学 大学院公衆衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 石川 ひろの(帝京大学 医学部)
  • 近藤 尚己(京都大学 大学院医学研究科 社会疫学分野)
  • 林 芙美(学校法人香川栄養学園女子栄養大学 栄養学部 食生態学研究室)
  • 田淵 貴大(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター がん対策センター疫学統計部)
  • 甲斐 裕子(公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所)
  • 加藤 美生(帝京大学大学院公衆衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、健康寿命の延伸、疾病予防、健康増進を目的に、特に健康無関心層に対して効果的な介入を実施するため、(1)健康関心度に応じたグルーピングとその特性の把握、(2)健康への関心度の概念の整理と定義づけ、定量化指標(健康関心度尺度(仮称))の開発、(3)先行研究のレビューによる、健康無関心層を中心とした集団の特性に応じた具体的で効果的な介入手法の検討、(4)健康無関心層も含めた疾病予防・健康づくりの推進に向けた取組の提案することを目的とする。
研究方法
各担当分野において、「ナッジ理論の応用パイロット事業と健康無関心層の類型化」(研究1・2)、「健康関心度尺度の開発に向けた研究」(研究3)、「コミットメント効果を狙いとした職域保健プログラム「健診戦」の効果」(研究4)、「食生活関心度尺度の開発と信頼性・妥当性の検討」(研究5)、「紙巻きタバコ喫煙者における健康への関心度・禁煙への関心度(行動変容ステージ)と翌年の禁煙状況との関連」(研究6)、「行動経済学を応用した体を動かす人を増やす研究」(研究7)、「運動行動の変容ステージ別の歩行時間の規定要因」(研究8)、「特定保健指導実施率向上に向けた健康関心度に応じた行動変容決定要因の調査」(研究9)を行った。研究成果は専門誌、学会、研修会等で報告するとともに、情報提供のためのホームページの作成を行った。
結果と考察
研究1においては、医療保険者を対象としたパイロット事業として、ナッジと行動経経済学を応用した取組を実施した。研究2では健康無関心層の類型化の案を提示し、類型ごとに効果的と考えられるアプローチ方法を検討した。研究3・5では、それぞれ一般的な健康行動および食生活に関連した健康関心度尺度の信頼性と妥当性を検証した。研究4では、コミットメント効果等を用いた職域保健プログラム「健診戦」の効果を示すことができた。研究6では、禁煙を既に始めている実行期で最も健康への関心が高く、禁煙への行動変容ステージが高いほど、翌年の禁煙達成率も高かった。研究7では、プロンプティングにより身体活動が高まる行動選択を可能にでき、中小企業において実施したトライアルにより無関心層の約半数にアプローチできたことが確認できた。研究8では、運動行動の変容ステージ別の歩行時間の規定要因を明らかにした。研究9では、保健指導実施率向上に向けた健康関心度に応じた行動変容決定要因を示した。
結論
健康無関心度の尺度の開発を行うとともに、健康無関心層の類型化の案を提示し、アプローチ方法を検討した。同時に、喫煙・禁煙、食事、保健指導、身体活動・運動、減量の個別な生活習慣について、健康無関心の観点から、具体的な介入方法を検討し、パイロット事業を実施することができた。論文や研修会等を通じて、研究成果を広く普及啓発することができた。

公開日・更新日

公開日
2022-05-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202009020Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,880,000円
(2)補助金確定額
9,880,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 250,011円
人件費・謝金 2,271,915円
旅費 25,000円
その他 5,053,074円
間接経費 2,280,000円
合計 9,880,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2022-04-12
更新日
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