文献情報
文献番号
200735006A
報告書区分
総括
研究課題名
植え込み型又はインプラント医療機器の不具合情報の収集及び安全性情報の提供のあり方に関する研究
課題番号
H17-医薬-一般-028
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
勝呂 徹(東邦大学医学部整形外科)
研究分担者(所属機関)
- 中村 孝志(京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座整形外科学)
- 佛淵 孝夫(佐賀大学医学部整形外科)
- 原田 義忠(千葉大学大学院医学研究院整形外科学)
- 糸満 盛憲(北里大学医学部整形外科学)
- 富田 直秀(京都大学工学研究科機械理工学専攻医療工学分野)
- 佐藤 道夫(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
運動器学すなわち整形外科領域で用いられる骨接合材料インプラントの優れた臨床効果の反面に見られる不具合発生の実態を知るために情報収集とその発生頻度、および今後の安全性情報の提供のあり方を検討することである。情報の共有化が可能であり臨床家と患者へもたらすメリットは大きい。インプラント医療機器の安全性確認と不具合情報の提供制度の確立を目指した。
研究方法
植込み型又はインプラント医療機器の専門家を中心に、不具合情報の収集と解析を行った。植え込み型インプラント医療機器使用頻度の高い関連施設を多く持つ施設を中心に不具合情報の収集とアンケート調査及び諸外国における現状分析から本邦における問題点などを合わせ検討した。
結果と考察
植込み型インプラント医療機器の不具合に関連する調査結果から、問題点がある程度しぼられてきた。本来不具合情報は厚労省あるいは医薬品医療機器総合機構への報告義務の周知が最も重要である。すなわち本邦におけるインプラント医療機器の不具合情報の正確なる把握には、関連学会との協調と繰り返す啓蒙運動が必要である。運動器疾患である整形外科領域で使用される骨接合材料として様々な植込み型インプラントがあり、骨接合材料を受ける側の問題、使用する医師側の問題などがあることから、植え込み型インプラントの不具合情報を共有することは、安全医療にとって有用と推察された。植込み型インプラント医療機器の不具合情報の収集・解析は、安全対策に必須であるだけでなく、承認申請時にも役立つと共に、より良い機器の発展にとって欠かせないものである。不具合情報は、米国では不具合データベースが公開、一方、英国では不具合報告年間レポート発行がされていることから、本邦においてもこれらの不具合情報を確実に使用者へ伝達する手段が求められている。不具合発生が低い印象があるが、今後、調査を継続することで安全性および不具合情報共有を確立することは医師、患者だけでなく社会に対しても多大な利益をもたらすことと考えられる。
結論
不具合情報収集による登録システムの構築には、使用者とインプラント供給者との連携が無ければ不可能である。このような現状の改善には、現在収集された不具合情報を関連学会と情報の共有化を行い、主たる研修病院への周知がもっとも効果的な方法である。
公開日・更新日
公開日
2008-04-22
更新日
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