障害者の健康状態・栄養状態の把握と効果的な支援に関する研究

文献情報

文献番号
200724017A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者の健康状態・栄養状態の把握と効果的な支援に関する研究
課題番号
H18-障害-一般-009
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
西村 秋生(国立保健医療科学院研修企画部国際協力室)
研究分担者(所属機関)
  • 杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科)
  • 加藤 昌彦(椙山女学園大学生活科学部)
  • 大和田 浩子(茨城キリスト教大学生活科学部)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、障害者の健康・栄養状態に関する課題を明確にし、障害者に対する栄養ケアのあり方及び、サービス提供体制や質の向上に寄与する根拠を提示することを目的としている。
研究方法
3年間の研究計画は次の通りである;(1)障害者の栄養ケア・マネジメントに関する系統的な文献レビューの実施、(2)障害者の健康・栄養状態の実態把握、(3)障害者の栄養スクリーニング、アセスメント指標に関する検討、(4)障害者の栄養ケア・マネジメント(スクリーニング、アセスメント、ケア計画、モニタリング、評価)の手順の標準化及び事例の検討。
 本年は(2)及び(3)を実施した。(2)については、昨年度の全国抽出調査結果の詳細な検討と共に、身体および知的障害者施設11施設を対象に、健康・栄養状態を把握するための調査(身体計測、血液検査等)を実施した。(3)については文献的な検討とともに、米国栄養士会が2006年までに公表した、障害者に対する栄養ケア手順に関する資料を翻訳した。
結果と考察
これまでの障害者サービスの領域における研究をまとめた結果、栄養に関する問題は対象者によって多岐にわたっており、個別の栄養ケアが必要不可欠であることが推測された。しかしながら、栄養状態の評価項目は研究間で一貫しておらず、個別の栄養ケアのあり方についてはほとんど検討されていない現状が明らかになった。一方、米国においては障害者に対する栄養ケア・マネジメントが手順化されており、我が国において障害者に対する今後の栄養ケアのあり方を検討する上で、有用な参考資料となった。施設調査においては、栄養アセスメントの実施率は高かったものの、結果を活用した栄養ケア計画の作成等には至っていない施設が大半であることが明らかになった。また、血液検査等を実施した結果、入所及び通所者における低栄養リスク者の出現率が高いことが明らかになった。
結論
既存の資料から障害者の栄養スクリーニング、アセスメント指標を検討し、障害者の健康・栄養状態の実態調査を行ったことによって、障害の程度や疾病像の違い、過栄養や低栄養の出現状況、摂食・嚥下機能の低下など、障害者における健康・栄養状態の実態が明らかになった。本年度の一連の研究成果(文献的な検討および実態調査)を再検討することにより、次年度は、個別の問題点に着目した、障害者における栄養ケア・マネジメントの手順を明らかにしたいと考えている。

公開日・更新日

公開日
2008-03-31
更新日
-