がん医療の均てん化に資するがん医療に携わる専門的な知識および技能を有する医療従事者の育成に関する研究

文献情報

文献番号
200721041A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療の均てん化に資するがん医療に携わる専門的な知識および技能を有する医療従事者の育成に関する研究
課題番号
H19-がん臨床-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
片井 均(国立がんセンター中央病院 総合病棟部)
研究分担者(所属機関)
  • 丸山 大(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 村越 功治(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 石倉 聡(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 根本 建二(山形大学 医学部)
  • 鹿間 直人(信州大学 医学部)
  • 戸板 孝文(琉球大学 医学部)
  • 大江 裕一郎(国立がんセンター中央病院 腫瘍内科)
  • 勝俣 範之(国立がんセンター中央病院 乳腺内科)
  • 篠崎 勝則(県立広島病院 臨床腫瘍科)
  • 大山 優(亀田総合病院 腫瘍内科)
  • 石黒 洋(京都大学大学院 医学研究科)
  • 服部 政治(国立がんセンター中央病院 麻酔科(平成19年4月1日?平成20年3月16日) 財団法人癌研究会附属有明病院 麻酔科(平成20年3月17日?))
  • 細川 豊史(京都府立医科大学 麻酔科)
  • 下山 恵美(帝京大学ちば総合医療センター 麻酔科)
  • 有賀 悦子(国立国際医療センター 漢和ケア科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
25,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、効果的かつ効率的に、関連学会と連携をとりながら、これらがん専門医およびコメディカル・スタッフを育成することである。薬物療法と緩和医療に関しては、関連学会の教育ガイドラインに準じた、がん専門医育成マニュアルの作成(研修内容の確定、教育方法の考案、その理解度と実地手練での評価法の考案)を行う。なお、緩和医療については緩和チームの育成プログラムの作成も行う。放射線療法に関しては、治療品質管理プログラムの整備による治療そのものの均てん化とそれに基づいた専門医の育成を行う。

研究方法
本研究は3年計画で行い、「薬物療法」、「放射線治療」、「緩和医療」の3分野分けて、
1. 米国相互派遣プログラムの確立を目指す。 2.がん専門医に対する啓蒙活動を行う。 3.各分野医療従事者育成を行う。
それぞれの分野で上記の達成を目指す。


結果と考察
1.米国相互派遣プログラム: 臨床教育者の育成を目的とした日本人指導者候補の留学生としての受け入れと、メイヨー・クリニックの優れた臨床指導医による我が国の医療施設内での臨床教育法の実践指導を行う相互派遣プログラムの実施を決定した。2.がん専門医に対する啓蒙活動: 医学生,研修医に対して腫瘍内科セミナーを開催した。また、一般市民、医療関係者を対象とした放射線治療講演会を複数回実施した。
3.各分野医療従事者育成: 1)薬物療法分野:国立がんセンター中央病院で、他病院からの短期がん臨床研修医の受け入れを開始した。また、がん専門薬剤師の研修カリキュラムを整備した。2)放射線治療:山形県で放射線治療の実態調査を行った。長野県では、信州大学で他病院の放射線治療医、放射線技師の研修を開始し、放射線治療医、放射線技師、看護師、薬剤師、研修医、医学生を対象に「がん医療の水準均てん化」に関する研修会を開催した。
結論
研究を継続し、各分野において育成制度が確立し、効果的かつ効率的に育成されれば、わが国におけるがん治療の均てん化ひいては治療成績の向上に直結するものと期待される。また、がんに対する薬物療法、放射線治療および終末期の緩和医療などをそれぞれ専門とする医師が担当すれば、治療成績の向上およびがん患者のQOL向上をもたらす以外に、不適切な医療による医療費の浪費が減少するものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-09-30
更新日
-