臨床病期Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験

文献情報

文献番号
200721011A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床病期Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験
課題番号
H17-がん臨床-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 伸(国立がんセンター中央病院第一領域外来部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 敏彦(山形県立中央病院 外科)
  • 齋藤 典男(国立がんセンター東病院 大腸骨盤外科)
  • 青木 達哉(東京医科大学 消化器外科)
  • 藤井 正一(横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター下部消化管外科)
  • 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院 消化器外科)
  • 赤池 信(神奈川県立がんセンター 消化器外科)
  • 瀧井 康公(新潟県立がんセンター新潟病院 大腸外科)
  • 山田 哲司(石川県立中央病院 消化器外科)
  • 石井 正之(静岡県立静岡がんセンター 大腸外科)
  • 平井 孝(愛知県がんセンター 消化器外科)
  • 山口 高史(京都医療センター 外科)
  • 大植 雅之(大阪府立成人病センター 消化器外科)
  • 東野 正幸(大阪市立総合医療センター 消化器外科)
  • 福永 睦(市立堺病院 消化器外科)
  • 岡村 修(関西労災病院 消化器外科)
  • 赤在 義浩(岡山済生会総合病院 外科)
  • 白水 和雄(久留米大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
34,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 あきらかな側方骨盤リンパ節転移を認めない臨床病期 II・IIIの治癒切除可能な下部直腸癌の患者を対象として,国際標準手術であるmesorectal excisionの臨床的有用性を,国内標準手術である自律神経温存側方骨盤リンパ節郭清術を対照として比較評価する.
研究方法
 JCOG大腸がん外科研究グループ48施設のうち本研究計画が各施設の倫理審査の承認が得られた32施設による多施設共同試験である.術前画像診断および術中開腹所見にて,あきらかな速報転移を認めない臨床病期IIまたはIIIの下部進行癌と診断された症例をmesorectal excisionを行った後,自律神経温存側方郭清を行う群と行わない群に,術中ランダム割付し,それぞれの手術終了時に手術の妥当性評価の目的で,術中写真撮影を行う.Primary endpointを無再発生存期間,Secondary endpointを生存期間, 局所無再発生存期間,有害事象発生割合,重篤な有害事象発生割合,手術時間,出血量,性機能障害発生割合(性機能調査票使用),排尿機能障害発生割合(術後残尿測定)とし,登録期間5年,追跡期間5年,登録数600例を予定している.

結果と考察
 登録中の臨床試験のため各endpointについては公表できないが,登録は2003年6月より開始ししており,登録開始から4年9か月経過した平成20年3月現在,428例の登録が得られている.予定登録ペースの74%の達成率である.登録開始以来,登録ペースは月毎に多少のばらつきはあるものの,ほぼ一定の割合を維持しているが,昨年1年では101例の登録があり,過去最高の年間登録数であった.この調子で登録を続けていきたい.
結論
 登録ペースは年々増加しているもの、予定登録期間5年間での予定登録数600例を達成は困難な状況である.さらに症例登録を増やす努力は継続と登録期間の延長を行う必要がある.

公開日・更新日

公開日
2008-06-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200721011B
報告書区分
総合
研究課題名
臨床病期Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験
課題番号
H17-がん臨床-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 伸(国立がんセンター中央病院第一領域外来部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 敏彦(山形県立中央病院 外科)
  • 齋藤 典男(国立がんセンター東病院 大腸骨盤外科)
  • 赤須 孝之(国立がんセンター中央病院 大腸外科)
  • 青木 達哉(東京医科大学 消化器外科)
  • 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院 消化器外科)
  • 藤井 正一(横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター 消化器病センター)
  • 赤池 信(神奈川県立がんセンター 消化器外科)
  • 瀧井 康公(新潟県立がんセンター新潟病院 大腸外科)
  • 山田 哲司(石川県立中央病院 消化器外科)
  • 山口 茂樹(静岡県立静岡がんセンター大腸外科)
  • 石井 正之(静岡県立静岡がんセンター大腸外科)
  • 平井 孝(愛知県がんセンター 消化器外科)
  • 山口 高史(京都医療センター 外科)
  • 大植 雅之(大阪府立成人病センター 消化器外科)
  • 東野 正幸(大阪市立総合医療センター 消化器外科)
  • 福永 陸(市立堺病院 外科)
  • 冨田 尚裕(関西労災病院 外科)
  • 岡村 修(関西労災病院 外科)
  • 赤在 義浩(岡山済生会総合病院 外科)
  • 白水 和雄(久留米大学 医学部)
  • 赤木 由人(久留米大学医療センター 外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 あきらかな側方骨盤リンパ節転移を認めない臨床病期 II・IIIの治癒切除可能な下部直腸癌の患者を対象として,国際標準手術であるmesorectal excisionの臨床的有用性を,国内標準手術である自律神経温存側方骨盤リンパ節郭清術を対照として比較評価する.
研究方法
 JCOG大腸がん外科研究グループ48施設のうち本研究計画が各施設の倫理審査の承認が得られた32施設による多施設共同試験である.術前画像診断および術中開腹所見にて,あきらかな速報転移を認めない臨床病期IIまたはIIIの下部進行癌と診断された症例をmesorectal excisionを行った後,自律神経温存側方郭清を行う群と行わない群に,術中ランダム割付し,それぞれの手術終了時に手術の妥当性評価の目的で,術中写真撮影を行う.Primary endpointを無再発生存期間,Secondary endpointを生存期間, 局所無再発生存期間,有害事象発生割合,重篤な有害事象発生割合,手術時間,出血量,性機能障害発生割合(性機能調査票使用),排尿機能障害発生割合(術後残尿測定)とし,登録期間5年,追跡期間5年,登録数600例を予定している.

結果と考察
 登録中の臨床試験のため各endpointについては公表できないが,登録は2003年6月より開始ししており,登録開始から4年9か月経過した平成20年3月現在,428例の登録が得られている. 予定登録ペースの74%の達成率である.登録開始以来,登録ペースは月毎に多少のばらつきはあるものの,ほぼ一定の割合を維持しているが,昨年1年では101例の登録があり,過去最高の年間登録数であった.この調子で登録を続けていきたい.
結論
 登録ペースは年々増加しているもの、予定登録期間5年間での予定登録数600例を達成は困難な状況である.しかし、外科手術臨床試験という困難な臨床試験で予定登録数の2/3の登録が行われたのは本研究の大きな成果である.症例登録を増やす努力を継続するとともに、次年度は登録期間の改訂を念頭にプロトコール改訂を行う予定である.これまでの登録ペースであれば2年の登録延長で目標は達成可能である.

公開日・更新日

公開日
2008-06-03
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200721011C

成果

専門的・学術的観点からの成果
現在,本研究は臨床試験登録中であり,具体的な成果は,臨床試験登録開始から4年9か月経過した平成20年3月末現在,428例の登録が得られているということである. 本研究の結果として比較対象としている二つの進行直腸癌の術式の遠隔治療成績および機能障害の実態が明らかになり,患者が術式を選択する際の重要な基礎データとなるとともに,新たなlevel 1のエビデンスが得られる.
臨床的観点からの成果
本研究の結果として,進行直腸癌に対する標準手術が確立し,EBMの実践が可能になる.研究対象である自律神経温存側方骨盤リンパ節郭清術が標準術式となれば,本術式を広く国内外に普及させることで直腸癌治療成績の向上が望める.他方側方骨盤リンパ節郭清術が不要となれば,我が国の直腸癌手術がより安全な術式となる.
ガイドライン等の開発
本臨床試験の結果は,下部直腸進行癌外科治療のlevel 1のエビデンスとなり、ガイドライン作成上,極めて重要な臨床試験である.
その他行政的観点からの成果
本研究の結果として,下部進行直腸癌の術式が標準化できる.比較検討しているどちらの術式が標準となっても,国民医療,福祉に大きな貢献が期待できる.
その他のインパクト
臨床試験登録中であるため、学術集会や論文等で,臨床試験の概要を解説するにとどまっている.

発表件数

原著論文(和文)
50件
原著論文(英文等)
57件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
258件
学会発表(国際学会等)
18件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-09-25
更新日
-