文献情報
文献番号
200721010A
報告書区分
総括
研究課題名
子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究
課題番号
H17-がん臨床-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
青木 大輔(慶應義塾大学医学部産婦人科学)
研究分担者(所属機関)
- 櫻木範明(北海道大学大学院医学研究科婦人科学)
- 八重樫伸生(東北大学大学院医学系研究科婦人科分野)
- 深澤一雄(獨協医科大学産婦人科学)
- 木口一成(聖マリアンナ医科大学産婦人科学)
- 星合 昊(近畿大学医学部産科婦人科学)
- 竹内正弘(北里大学薬学部臨床統計部門)
- 寒河江 悟(札幌鉄道病院産婦人科)
- 勝俣範之(国立がんセンター中央病院薬物療法部薬物療法室)
- 進 伸幸(慶應義塾大学医学部産婦人科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
子宮体がん高再発危険群の予後改善を目指し、従来から標準的化学療法とされてきたDoxorubicin+Cisplatin(AP療法)とTaxane+Platinum併用療法によるランダム化比較第III相試験を実施し、それぞれの治療法の無増悪生存期間を比較することを目的とした。
研究方法
子宮体がんの予後改善を目指し、既に実施されたTaxane+Platinum療法の第II相試験の中からDP療法(Docetaxel 70 mg/m2 + Cisplatin 60 mg/m2 q3 wks)とTC療法(Paclitaxel 180 mg/m2 + Carboplatin AUC 6 q3 wks)を選択し、臨床的有効性に関して、従来から標準治療とされてきたAP療法(Doxorubicin 60mg/m2+Cisplatin 50mg/m2 q3 wks)とのランダム化比較試験によって比較検証する。対象は、筋層浸潤1/2を超えるG2,G3のI-II期症例または残存腫瘍2 cm以下のIII-IV期の症例で、少なくとも子宮全摘術と骨盤リンパ節郭清を施行した症例。primary endpointは無増悪生存期間、secondary endpointsは全生存期間、有害事象発生率、投与状況とした。必要症例数はall-pair検出力が安定して70%を超す条件から各群200例計600例となった。
結果と考察
第III相試験ではAP療法を標準治療とし、奏効率の最も良かったTC療法と、奏効率と完遂率でDC療法(docetaxel+carboplatin)に勝るDP療法が試験治療として選択された。プロトコルは既に完成し、各施設のIRBの承認のもと、同年12月より登録が開始され、2008年3月現在、IRB承認施設101施設中58施設から170例が登録されている。この間、2回のモニタリングを行った。多数の施設が参加する本試験の運営にあたっては今後もデータマネージメント機能を強化し試験の質を維持することが重要である。
結論
子宮体がん高再発危険群の術後症例に対して、AP療法を標準治療、DP療法,TC療法を試験治療とする第III相試験を開始した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-30
更新日
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