新しい薬物療法の導入とその最適化に関する研究

文献情報

文献番号
200720039A
報告書区分
総括
研究課題名
新しい薬物療法の導入とその最適化に関する研究
課題番号
H19-3次がん-一般-024
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
田村 友秀(国立がんセンター中央病院総合病棟部)
研究分担者(所属機関)
  • 南 博信(神戸大学大学院医学系研究科 内科学講座腫瘍内科学部門)
  • 小泉 史明(国立がんセンター研究所 腫瘍ゲノム解析・情報研究部)
  • 桑野 信彦(久留米大学)
  • 掛谷 秀昭(京都大学大学院薬学研究科)
  • 杉本 芳一(共立薬科大学薬学部 化学療法学講座)
  • 中川 和彦(近畿大学医学部内科学腫瘍内科学部門)
  • 野口 眞三郎(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 西尾 和人(近畿大学医学部ゲノム生物学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
59,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
分子標的治療薬を中心とした新しい薬物療法の最適化を目指す。具体的には、(1)臨床検体を用いた効果・毒性に関わるバイオマーカーの探索、(2)薬剤感受性/耐性規定因子の解析と新薬の最適化研究、を実施する。
研究方法
本研究組織は、主任研究者の他、8名の分担研究者で構成される。内容の詳細は、次項に記載する。
(倫理面への配慮)
基礎研究においては、施設の倫理規定等に従って、動物実験は適正飼育を行い、苦痛を最小限に抑えるよう配慮する。臨床研究においては、ヘルシンキ宣言、臨床研究およびヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針に従い、IRB承認、被験者の同意、個人情報の遵守を必須とした。
結果と考察
今年度は、以下の成果を得た。(1)非小細胞肺がん患者のcirculating endothelial cell(CEC)値と効果・予後との関連を解析した。(2)胃がん生検組織の網羅的遺伝子発現解析で、効果・予後の予測遺伝子群を見出した。(3)乳がん手術検体の細胞周期プロファイル解析と効果・予後との関係を解析した。(4)卵巣がん、乳がん手術検体におけるY-ボックス結合タンパク質-1(YB-1)の核内局在の意義を検討した。(5)早期臨床試験におけるFDG-PETの意義を評価した。(6)P-糖タンパク質(P-gp)の発現が、増殖因子からMEK-ERK-RSKと伝わるシグナル伝達系に制御されることを示した、(7)新規サバイビン阻害剤の放射線感受性増強効果を検討した。(8)ケミカルバイオロジ-手法で新規血管新生抑制物質エポキシシノールBを見出した。
結論
臨床検体のバイオマーカー研究において、CEC値、細胞周期プロファイル解析、YB-1の核内局在は予後・治療効果予測マーカーとして有望である。胃がんにおける予後・効果の関連遺伝子の同定とともに、個別化治療への応用が期待される。感受性規定因子および新薬の最適化研究において、分子標的薬によるP-gp発現変動は、化学療法との併用療法開発に向け重要な知見である。新規化合物エポキシシノールBの同定および最適化は新たな創薬として注目される。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-01-22
更新日
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