健全な水循環の形成に資する浄水・管路技術に関する研究

文献情報

文献番号
200639021A
報告書区分
総括
研究課題名
健全な水循環の形成に資する浄水・管路技術に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-023
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 正弘(財団法人水道技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 谷口 元(財団法人水道技術研究センター )
  • 安藤 茂(財団法人水道技術研究センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
39,393,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域の原水水質に応じた最適な浄水システムの選定指針の作成、および老朽化した管路の機能診断・評価手法を確立することにより、より高度な水道システムの構築を図り国民の健康的な生活に寄与することを目的とする。
研究方法
【浄水技術部門】
全国の水道事業体から収集した水質データの統計分析、鉄系凝集剤および膜ろ過を含む実規模実験、LCAによる環境影響評価などにより、浄水システムを総合的に評価し、原水条件に最も適した浄水システムの選定手法の確立を目的として実施した。また、水道原水取水場内に設置したVOC計による実験などにより、未知の臭気原因物質の特定及び対策技術の検討を実施した。
【管路技術部門】
残留塩素濃度の減少・消失等の水質変化を主な判断指標として、管内面の劣化状況を診断評価する手法の検討を実験室や水道事業体の実管路を用いて実施した。
また、適切な管路更新に向け、管路が有する機能の実態を把握し、管路更新の際の判断指標となる診断技術について基礎的な研究を実施した。
結果と考察
【浄水技術部門】
・原水水質と処理水水質に関係する水質項目について、既存浄水場のデータ等を用い単位プロセスごとに分析・評価を行い、原水水質と浄水プロセスの適合性、単位プロセスの適用範囲、事業体の規模による水質管理などの差を明らかにした。
・膜ろ過実証実験の結果、膜ろ過の前処理としては「凝集+直接ろ過」よりも「凝集+沈殿」とする方が流束の低下が緩やかであり、凝集剤では鉄系凝集剤がアルミ系凝集剤と比較して流束の低下が緩やかであることがわかった。
・凝集沈澱急速ろ過、粒状活性炭ろ過施設のライフサイクルエネルギー消費量・二酸化炭素排出量を試算し、薬品や活性炭に関する環境負荷が相対的に高いという結果が得られた。

【管路技術部門】
・管路における水質劣化状況を調査したところ、ライニングの有無だけではなく、水理条件(流速)が水質劣化に大きく影響していることがわかった。また、管内水の残留塩素濃度や鉄濃度の変化等から、管路の老朽度を見極める可能性が確認された。
・「数量化理論による配水管の安全性評価モデル」や「衝撃弾性波法」等の新技術の基礎的 
な研究に取り組み、適用可能性が確認された。
結論
原水条件に応じた最適浄水処理プロセスの選定指針の作成、管路施設の機能診断・評価に向けた各種研究の成果が集まりつつあり、平成19年度の取りまとめに向けさらに検討を行う。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
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