体外診断薬に関する標準品に関する研究

文献情報

文献番号
200637032A
報告書区分
総括
研究課題名
体外診断薬に関する標準品に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-医薬-一般-020
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
竹森 利忠(国立感染症研究所 免疫部)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 一成(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 水落 利明(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 岡田 義昭(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 田代 眞人(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
  • 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院 小児科)
  • 岡田 賢司(国立病院機構福岡病院 小児科)
  • 種村 光代(名古屋市立大学医学部 産婦人科)
  • 池田 智明(国立循環器病センター 周産期科)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 沼﨑 啓(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
  • 川名 尚(帝京大学 医学部付属溝口病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国で市販される診断薬の品質管理の向上を図るために、風疹抗体とHBs抗原の各診断薬キットの国際単位による感度表記の標準化とそれに伴う品質管理についての実施の方策を明らかにする。そのために、(1)昨年度に作製した風疹標準パネルの性状を明らかにする。(2)風疹ウイルス遺伝子診断検査技術の標準化と評価(3)昨年度に作製したB型肝炎ウイルスの遺伝子型及び変異の遺伝子組み換え抗原パネルを用いて、国内で市販されるHBs抗原検出キットを評価する。
研究方法
1)作製した風疹標準パネルの性状を明らかにするために中和抗体価を測定した。 (2)風疹ウイルス遺伝子検査の適切な診断のための考察を行った。(3)作製したB型肝炎ウイルスの遺伝子型及び変異の組み換え抗原パネルを用いて、国内で市販されるHBs抗原検出キットにより測定した。
結果と考察
(1)昨年度はWHO国際標準品に準拠する風疹IgG抗体の標準品を作製し、さらに標準パネルを整備した。中和抗体価に基づく情報は乏しいことから今年度はパネルの性状を明らかにする目的で中和抗体価を測定し、HI抗体価やEIA抗体価との間にある程度の相関性が示された。(2)風疹ウイルス遺伝子検査の品質管理のために技術標準化を試み適切な診断のための考察を行った。(3)昨年度はWHO国際標準品に準拠するHBs抗原標準品を作製し、さらに遺伝子型及び変異の組換えHBs抗原パネルを作製した。今年度はこれらのパネルを用いて国内で市販されるHBs抗原検査キットを評価した。その結果キットによっては特定の遺伝子型や変異を検出しにくいことが示唆された。(4)麻疹抗体測定に関して現在用いられている方法を相互比較し、疫学的調査等においてはHI法にかわり凝集法、ELISA法が優れていることが示唆された。
結論
風疹抗体、ウイルス遺伝子検査における品質管理の向上を目的とし、昨年度に作製した標準パネルの中和抗体価を測定し、HI抗体価及びEIA抗体価との緩やかな相関が示された。風疹ウイルス遺伝子検査の品質管理のために技術標準化を試み適切な診断のための考察を行った。麻疹抗体測定法について血清疫学調査にはHI法を用いるよりも凝集法、ELISA法が推奨された。昨年度作製した遺伝子型及び変異のHBs抗原パネルを用いて国内で市販されるHBs抗原検査キットを評価した結果、キットによっては特定の遺伝子型や変異を検出しにくいことが示唆され、診断薬の品質管理において本研究で作製したパネルの有用性が示された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200637032B
報告書区分
総合
研究課題名
体外診断薬に関する標準品に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-医薬-一般-020
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
竹森 利忠(国立感染症研究所 免疫部)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 一成(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 水落 利明(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 岡田 義昭(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
  • 田代 眞人(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
  • 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院 )
  • 岡田 賢司(国立病院機構福岡病院 小児科)
  • 種村 光代(名古屋市立大学医学部)
  • 池田 智明(国立循環器病センター 周産期科)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 沼﨑 啓(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
  • 川名 尚(帝京大学医学部付属溝口病院 産婦人科)
  • 海野 幸子(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
  • 加藤 宏幸(国立感染症研究所 ウイルス第3部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国で市販される診断薬の品質管理の向上を図るために、風疹抗体とB型肝炎S抗原(HBs抗原)の各診断薬キットの国際単位による感度標記の標準化とそれに伴う品質管理についての実施方法についての方策を明らかにする。そのために、(1)国際標準品に準拠した風疹抗体とHBs抗原の国内標準品を作製する。(2)風疹抗体測定キットの品質管理に必要な標準パネルを整備する。(3)風疹ウイルス遺伝子検査法の標準化を行う(4)B型肝炎ウイルスの遺伝型及び変異抗原パネルを整備する。
研究方法
(1)国内標準品候補品と国際標準品を種々の方法を用いて測定し、候補品の相対力価を決定した。(2)風疹ワクチン接種者と感染者から血清を収集し、抗体価を異なる方法で測定して比較検討した。(3)風疹ウイルスRNA抽出法の標準化の必要条件を検討した。(4)HBs抗原陽性血漿を収集し、異なる遺伝子型のリコンビナントHBs抗原を作製した。また、わが国で普遍的な遺伝子型Cに変異を導入したリコンビナント抗原を作製した。
結果と考察
(1)国際標準品に準拠した風疹抗体とHBs抗原の国内標準品を作製した。(2)60検体からなる風疹抗体の標準パネルを整備した。種々の方法で測定したパネルの抗体価を比較検討した結果、国内で使用されてきたHI抗体価からEIAによる国際単位表示への転換が可能であるとこが示された。(3)風疹ウイルス遺伝子検査法の標準化を試み、適切な診断のための考察を行った。(4)麻疹抗体測定に関して現在用いられている方法を相互比較し、疫学的調査等においてはHI法にかわり凝集法とELISA法が優れていることが示唆された。(5)B型肝炎ウイルスの遺伝型及び変異型抗原パネルを作製した。パネルを用いて国内で市販されるHBs抗原検査キットの評価を行った結果、キットによっては特定の遺伝子型や変異を検出しにくいことが示唆された。
結論
風疹抗体診断薬キットの品質管理の向上を目的とし、国際標準品に準拠したIgG抗体国内標準品を作製するとともに、キットの品質管理に必要な標準パネルを整備した。また、風疹ウイルス遺伝子検査技術の標準化を目的として、現在複数の機関で実施している診断技術を比較検討した。HBs抗原検査キットの品質管理の向上を目的として国際標準品に準拠した国内標準品を作製し、HBs陽性血漿とリコンビナントHBs抗原を用いて遺伝型及び変異型抗原パネルを作製した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200637032C