小児等の特殊患者群に対する医薬品の有効性、安全性情報の収集とそれらの情報に基づくリスク評価・管理手法に関する研究

文献情報

文献番号
200637001A
報告書区分
総括
研究課題名
小児等の特殊患者群に対する医薬品の有効性、安全性情報の収集とそれらの情報に基づくリスク評価・管理手法に関する研究
課題番号
H16-医薬-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
松田 一郎(北海道医療大学)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村正哲(大阪府立母子保健総合センター)
  • 伊藤 進(香川大学医学部小児科学)
  • 中村秀文(国立成育医療センター治験管理室)
  • 佐地 勉(東邦大学医学部第一小児科)
  • 遠藤文夫(熊本大学大学院医学薬学研究部)
  • 嶌村俊朗(三菱ウェルファーマ株式会社)
  • 岩崎利信(塩野義製薬株式会社)
  • 中川雅生(滋賀医科大学小児科)
  • 伊藤正利(滋賀県立小児保健医療センター)
  • 牧本 敦(国立がんセンター中央病院)
  • 河野陽一(千葉大学大学院医学研究科)
  • 大浦敏博(東北大学大学院医学研究科)
  • 本田雅敬(東京都立八王子小児病院)
  • 田中敏章(国立成育医療センター臨床検査部)
  • 佐藤吉壮(富士重工健康保険組合総合太田病院)
  • 井上壽茂(財団法人住吉病院)
  • 河島尚志(東京医科大学附属病院小児科)
  • 石崎優子(関西医科大学小児科学)
  • 永井敏郎(獨協医科大学越谷病院)
  • 宮島 祐(東京医科大学附属病院小児科)
  • 関口進一郎(慶應義塾大学医学部小児科)
  • 宮川三平(聖徳大学人文学部児童学科)
  • 村田光範(和洋女子大学家政学部)
  • 阪井裕一(国立成育医療センター救急診療科)
  • 横田俊平(横浜市立大学医学部小児科)
  • 高木裕三(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 巌 康秀(杏林大学医学部麻酔科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、日本ではかなりの医薬品が「小児への安全性は確立していない」という添付文書のもとで小児に投薬されている。また市販の試薬化合物質も臨床で使用されている。こうした問題の解決を目指して、日本小児科学会理事会、日本小児臨床薬理学会、さらに日本小児科学会各分科会の薬事委員会は協力して実態を調査研究しプライオリティ・リストに従って必要性の高い医薬品を順に計上し、さらに有用性、副作用、投薬量、薬物動態、薬物力学などを調査した。
研究方法
各分科会の薬事委員会もしくは薬事担当者は、それぞれ医科大学、大学医学部付属病院、全国の小児病院を対象にアンケート調査を実施し、カテゴリー分類に従って、現場臨床で最も必要とする医薬品についてのプライオリティ・リストの見直しを行った。
結果と考察
1)適用外医薬品、2)未承認薬、3)試薬や大学病院などで合成された化学物質で、臨床使用されている薬剤④剤型を変えて使用している医薬品、について調査した。これらを基に小児薬物療法検討会議で、酢酸フレカイニド、メチルフェニデート、シプロフロキサシン、メトトレキセート、シクロフホスファミド、アセトアミノフェン、A型ボツリヌス毒素、アシクロビルの8医薬品について検討された。このうちアセとアミノフェンについては、予定効能、予定用法・用量についての審議が終了した。他の医薬品については、現在も継続審議中である。試薬類の臨床使用では;ジクロロ酢酸ナトリウム、ヒスチジン銅、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ベタインが上げられた。これらについては改善の動きはあるがまだ具体化していない。剤形を変形して使われている薬品の上位5種は;ワーファリン錠、ラニラピッド錠、レニベース錠、ダントリウムカプセル、ロンゲス錠であった。
結論
これまで、「小児薬物療法根拠情報収集事業」と「未承認薬使用問題検討会議」のための検討候補薬検討のための資料作成を最重要課題としてきた。幸い、一定の成果を上げることができた。それ以外の薬物についても各学会独自で、また製薬会社と共同で、取り組む姿勢が見られたことは喜ばしい。平成18年12月に「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」ヒアリングの機会が設けられ、小児科学会薬事委員会委員長、委員が出席して今年度研究資料を厚生労働省に提示できた。

公開日・更新日

公開日
2007-05-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-04-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200637001B
報告書区分
総合
研究課題名
小児等の特殊患者群に対する医薬品の有効性、安全性情報の収集とそれらの情報に基づくリスク評価・管理手法に関する研究
課題番号
H16-医薬-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
松田 一郎(北海道医療大学)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村正哲(大阪府母子保健総合医療センター)
  • 森田修之(広島国際大学)
  • 伊藤 進(香川大学)
  • 中村秀文(国立成育医療センター)
  • 佐地 勉(東邦大学)
  • 遠藤文夫(熊本大学)
  • 桑原雅明(武田薬品工業株式会社)
  • 嶌村俊朗(三菱ウェルファーマ株式会社)
  • 岩崎利信(塩野義製薬株式会社)
  • 中川雅生(滋賀医科大学)
  • 大澤真木子(東京女子医科大学)
  • 伊藤正利(滋賀県立小児保健医療センター)
  • 月本一郎(東邦大学)
  • 牧本 敦(国立がんセンター中央病院)
  • 河野陽一(千葉大学)
  • 大浦敏博(東北大学)
  • 本田雅敬(東京都立八王子小児病院)
  • 田中敏章(国立成育医療センター)
  • 浅野喜造(藤田保健衛生大学)
  • 佐藤吉壮(富士重工業健康保険組合総合太田病院)
  • 井上壽茂(財団法人住友病院)
  • 河島尚志(東京医科大学)
  • 石崎優子(関西医科大学)
  • 永井敏郎(獨協医科大学)
  • 宮島 祐(東京医科大学)
  • 田原卓浩(たはらクリニック)
  • 関口進一郎(慶應義塾大学)
  • 宮川三平(聖徳大学)
  • 村田光範(和洋女子大学)
  • 阪井裕一(国立成育医療センター)
  • 横田俊平(横浜市立大学)
  • 高木裕三(東京医科歯科大学)
  • 巌 康秀(杏林大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、日本では約75%の医薬品が小児へ用法、用量での記載のない状態で投薬されている (15年度調査)。問題の解決を目指し、日本小児科学会理事会、日本小児臨床薬理学会、日本小児科学会各分科会の薬事委員会が協力して実態を調査し、プライオリティ順位い、その上位医薬品をリストアップし、有用性、副作用、投薬量、薬物動態、薬物力学などについて調査した。
研究方法
各分科会の薬事委員会もしくは薬事担当者は、それぞれ医科大学、もしくは大学医学部付属病院、さらに全国の小児病院を対象にアンケート調査を実施した。
結果と考察
各分科会で、1)適用外医薬品、2)未承認薬、3)医薬品として利用されている試薬、及び大学病院などで合成された化学物質、③病院で剤型を変えて使っている医薬品、について当該医薬品をリストアップし、調査検討した。高血圧、精神疾患など一部の疾患では治療のための診断ガイドラインを作成した。平成18年、厚生労働省小児薬物療法検討会議で、酢酸フレカイニド、メチルフェニデート、シプロフロキサシン、メトトレキセート、シクロフホスファミド、アセトアミノフェン、A型ボツリヌス毒素、アシクロビルの8医薬品について検討されることが決定した。このうちアセトアミノフェンについては、効能、用法・用量についての審議が終了した。他の医薬品については継続審議中である。未承認薬につては、抗がん剤、ムコ多糖症治療薬などのいくつかが承認された。試薬類の臨床使用では、ジクロロ酢酸ナトリウム、ヒスチジン銅、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ベタイン上げられたが、まだ改善の動きはまだ具体化していない。剤形を変形して使われている薬品の上位5種は;ワーファリン錠、ラニラピッド錠、レニベース錠、ダントリウムカプセル、ロンゲス錠で、特にワーファリン錠の処方件数は1052件であった。
結論
これまで、「小児薬物療法根拠情報収集事業」と「未承認薬使用問題検討会議」での検討候補薬の検討のための資料作成を最重要課題とした。それ以外の薬物についても各学会独自で、また製薬会社と共同で取り組む姿勢が見られた。平成18年12月に「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」ヒアリングに小児科学会薬事委員会委員長と委員が出席して16-18年度研究班で得た資料を直接厚生労働省に提示できた。

公開日・更新日

公開日
2007-05-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200637001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
小児科領域で使用されている医薬品のうち、小児への用法、用量の記載がないものについて、日本小児科学会、日本小児薬理学会、日本小児科学会等が協力して臨床現場での使用実態を調査し、必要性に応じその用法・用量、有用性、安全性、薬物動態等につき検討した。本研究による広範な調査が実施されたことで、実態が把握され、医薬品の小児適応に関する課題が明らかとなった。
臨床的観点からの成果
小児科領域で必要とされる医薬品の適切な用法・用量、有用性、安全性、薬物動態等につき検討を行い、臨床的に妥当な医薬品の使用方法を提示した。これにより、小児臨床の現場における適切な医薬品使用が促進された。
ガイドライン等の開発
本研究班で優先的な用量設定の必要性の示された医薬品の一部については、平成18年3月から開催された厚生労働省「小児薬物療法検討会議」において検討されることが決定した。同検討会における審議が終了したものについては、順次小児の用法用量の設定が行われ、臨床現場での適正使用が図られると考えられる。また、「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」においてもヒアリングが行われ、本研究班の成果が議論の題材とされた。
その他行政的観点からの成果
小児科領域で必要とされる医薬品の適切な用法・用量、有用性、安全性、薬物動態等につき検討を行い、臨床的に妥当な医薬品の使用方法を提示した。これにより、保険審査における適切な医学的判断、しいては保険診療における適切な医薬品使用に役立った。
その他のインパクト
平成17年1月28日、同年12月9日、平成18年11月3日に公開で研究発表会を開催した。

発表件数

原著論文(和文)
77件
原著論文(英文等)
35件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
6件
アセトアミノフェン、ラロニダーゼ、メトトレキサート及びA型ボツリヌス毒素が承認済み。フレカイニド酢酸塩及びアシクロビル承認申請済み。
その他成果(普及・啓発活動)
3件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-30
更新日
-