文献情報
文献番号
200635020A
報告書区分
総括
研究課題名
斜面崩壊による労働災害防止に関する研究
課題番号
H17-労働-一般-016
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
三田地 利之(北海道大学大学院工学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 田中 洋行(北海道大学大学院工学研究科)
- 豊澤 康男(独立行政法人労働安全衛生総合研究所)
- 伊藤 和也(独立行政法人労働安全衛生総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
斜面崩壊による事故防止を目的に,崩壊防止およびその予知についての研究を行う.
研究方法
斜面崩壊予知システムの確立に向けて,重力場および遠心場での室内実験ならびに現場実験によって斜面変位の計測システムの評価を行なった.また,遠心場で模型地盤に降雨を発生させ,斜面地盤内の間隙水圧の挙動を調べた.さらに,新規開発の引張り試験装置を用いて,粘性土の引張り強度とサクションとの関係を調べた.また,共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡を用いたせん断面の観察等を通じて,粘土の残留状態強度の発生メカニズムについて調べた.
結果と考察
掘削時の斜面崩壊直前の変形状況を直接計測できる傾斜計を開発し,斜面深度方向に間隔を空け連続的に埋めて室内実験を行い,この傾斜計により深度方向の動きを測定可能であることを確認した.さらに,斜面地盤の密度の違いによって,斜面崩壊時の塑性領域の発生形態が異なることを見出すことができた。また,遠心掘削装置を用い,遠心場で崩壊に至るまで模型斜面の法尻の掘削を行った.実験結果に基づいて,崩壊高さを限界崩壊高さで正規化し,各種の土について検討した結果,地盤の種類によらず正規化曲線の傾きは類似していることが分かった.遠心場での降雨実験では,降雨強度と地下水位の上昇速度との関係を把握することができた.
一方,新たに開発した引張試験装置にて飽和粘土供試体の引張強度とサクションの関係を測定し,飽和土の試料では引張強度の値が最大になるときにサクションの値もほぼ最大値を示すことが分かった.
さらに,粘土の残留状態せん断抵抗角と真実接触面で発現される摩擦係数との関係を検討し,その考察にもとづいて地すべり対策工設計用強度パラメータの決定法の提案を行った.
一方,新たに開発した引張試験装置にて飽和粘土供試体の引張強度とサクションの関係を測定し,飽和土の試料では引張強度の値が最大になるときにサクションの値もほぼ最大値を示すことが分かった.
さらに,粘土の残留状態せん断抵抗角と真実接触面で発現される摩擦係数との関係を検討し,その考察にもとづいて地すべり対策工設計用強度パラメータの決定法の提案を行った.
結論
室内および現場実験の結果から,本研究で開発した斜面変位計測システムの有用性を確認するとともに変位計測による崩壊予測の可能性を示唆する結果を得た。
また,降雨実験の結果から斜面内の地下水位の挙動を把握することができた。さらに,地盤の引張強度と残留強度の評価方法に関する研究から多くの新知見を得ることができた。
また,降雨実験の結果から斜面内の地下水位の挙動を把握することができた。さらに,地盤の引張強度と残留強度の評価方法に関する研究から多くの新知見を得ることができた。
公開日・更新日
公開日
2007-05-14
更新日
-