口腔機能と口腔疾患の効果的なスクリーニング法に関する研究

文献情報

文献番号
200634116A
報告書区分
総括
研究課題名
口腔機能と口腔疾患の効果的なスクリーニング法に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-037
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
黒崎 紀正(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科総合診療歯科学)
研究分担者(所属機関)
  • 赤川安正(広島大学大学院医歯薬学総合研究科顎口腔頚部医科学講座)
  • 伊藤公一(日本大学・歯学部歯周病学講座)
  • 杉崎正志(東京慈恵会医科大学、口腔外科学(東京慈恵会医科大学附属病院))
  • 相馬邦道(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 川口陽子(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 大原里子(東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科総合診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
口腔機能と口腔疾患の簡便でかつ効果的なスクリーニング法を新たに開発し、それにより口腔疾患を予防し、口腔の機能低下を防止することを目的としている。この研究により口腔機能や口腔疾患を簡便にかつ効果的にスクリーニングすることが可能となり、歯牙の欠損を予防し咀嚼、嚥下といった口腔機能を高く維持する人の割合が増加することが期待される。口腔機能を高く維持することにより、栄養摂取や運動機能に良い影響を与え、介護予防への効果も期待できる。
研究方法
1.主要な口腔機能と口腔疾患(咀嚼機能、歯周疾患、う蝕、顎関節症、不正咬合等)に対してスクリーニングのための質問項目の抽出、自己判定項目の抽出、自己判定用資料作成を行う。
 2. 咀嚼機能、歯周病、う蝕等に関する質問票及び自己判定による調査と歯科健康診査を、研究の協力を承諾した地域住民を対象に行う。
3.地域住民に対する調査結果から質問項目及び自己判定項目の妥当性の検証を行い、評価の基準等について検討する。
結果と考察
地域住民に対する調査で、咀嚼機能に大きな影響を与える歯の数と臼歯部の咬合状況、う蝕、歯周病に関して、質問によるスクリーニングの可能性が示唆された。しかしながら、症状に乏しい初期う蝕や歯周疾患をスクリーニングする精度を向上させるために、生活習慣等のリスク要因も考慮して質問票を改善する必要があると考えられた。また、一般歯科初診患者において顎関節症に関して妥当性の高い質問項目が抽出された。不正咬合に関しては一般開業歯科医が簡便に判断できる基準を設けることの必要性が高いと考えられた。
結論
地域住民に対する調査で、口腔内に疾患を有する成人は多いが、そのことを自覚している人は少ないことが確認された。したがって、多くの人を対象として口腔疾患の早期発見、早期治療、また、疾患リスクが高い人への保健指導を行うことは重要と考えられた。そのためには、歯科医師が一人一人口腔内診査を行う健診システムだけでなく、歯科専門家がいない健診の場も広く利用して、成人対象の集団健診等の場で使用できる質問票を利用した簡便でかつ効果的なスクリーニング法の利用が望ましいと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
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