関節リウマチ・骨粗鬆症の重症化防止治療開発研究

文献情報

文献番号
200631015A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ・骨粗鬆症の重症化防止治療開発研究
課題番号
H17-免疫-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
越智 隆弘(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 栄(東京大学医学部)
  • 吉川 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 広畑 俊成(北里大学医学部)
  • 鈴木 隆二(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
  • 西沢 良記(大阪市立大学大学院医学系研究科)
  • 宇月 美和(岩手医科大学病理学第一講座)
  • 山村 研一(熊本大学発生医学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
101,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症病型RAの機能障害の主因となる高度の骨粗鬆症(骨吸収亢進)と骨破壊の病態解明と治療開発研究。1.RA・骨粗鬆症の臨床的研究、2.RA・骨粗鬆症機序解明と新治療法開発研究、3.RAの病因遺伝子解明と治療法開発。


研究方法
1.RA・骨粗鬆症の臨床的研究
 1)RA重症化の早期診断マーカー開発研究、2)薬物治療法確立研究、3)人工骨開発適用研究
2.重症化機序解明と治療法開発研究
 1)ナース細胞(線維芽細胞様細胞)病態解析研究、2)破骨細胞解析研究
3.RAの病因遺伝子解明と治療法開発研究
 1)RA特異的骨髄細胞遺伝子のgene chip解析
結果と考察
1.RA・骨粗鬆症への臨床的研究; ビスフォスフォネートのBMD上昇効果は腰椎でより顕著であが、 アレンドロネートは傍関節性骨粗鬆症にも有効。
2.RA骨粗鬆症機序解明と新治療法開発研究
 1)ナース細胞解析研究; RA病巣を形成するナース細胞の細胞生物学的本質解明。
 2)破骨細胞解析研究;RA特異的破骨細胞はMMP12陽性により判別可。MMP12遺伝子の機能やヒト  疾患の病因・病態解析の解明には、in vivoの解析系が重要。
3.RAの病因遺伝子解明と治療法開発研究
 RA骨髄細胞特異的遺伝子のgene chip解析;1)RA骨髄中ではOA骨髄と比較して、骨髄異常を示唆できる遺伝子の発現が観察され、骨髄変化の重要性が遺伝子レベルで確認。2)RAナース細胞で誘導され更にGM-CSFで最終分化する(非RANKL+M-CSF) 破骨細胞について特異的に発現する遺伝子、OCL7-44遺伝子のモノクロ抗体作成は困難な段階であるが手法を変えて研究を継続。
結論
1.RA・骨粗鬆症への臨床的研究:RA患者の重症化を予後診断される患者の骨粗鬆症進行が認められると、薬物治療としてビスフォスフォネートなどで改善を図る。関節近傍嚢胞性骨病変が進行するRA患者には人工骨移植術により骨折は防がれる。
2.RA骨粗鬆症機序解明と新治療法開発研究:RA-Nurse細胞は特異的な液性因子によるautocrine、paracrine機序抑制や、KLF-5 mRNAなどの発現抑制が治療目標になる。
3.RAの病因遺伝子解明と治療法開発研究:RA骨髄細胞に高発現する遺伝子としてGranulin、LIGHT/TNFSF14、SHPS-1、SULF1を見出し、該当蛋白獲得、モノクロ抗体作成、ELISA系を組みRA患者での血中濃度定量を進め病態的検討を続け、根本的治療法確立に向かう。 

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-12-17
更新日
-