気管支喘息の有病率・罹患率およびQOLに関する全年齢階級別全国調査に関する研究

文献情報

文献番号
200631008A
報告書区分
総括
研究課題名
気管支喘息の有病率・罹患率およびQOLに関する全年齢階級別全国調査に関する研究
課題番号
H16-免疫-一般-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
赤澤 晃(国立成育医療センター総合診療部小児期診療科)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 一男(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 高橋 清(国立病院機構南岡山医療センター)
  • 中川 武正(川崎市立多摩病院アレルギー科)
  • 小田嶋 博(国立病院機構福岡病院小児科)
  • 小林 章雄(愛知医科大学医学部衛生学講座)
  • 烏帽子田 彰(広島大学大学院医歯薬学総合研究科公衆衛生学研究所)
  • 中村 裕之(金沢大学大学院医学系研究科環境生態医学講座)
  • 西村 正治(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野(第一内科))
  • 足立 雄一(富山大学付属病院小児科)
  • 大矢幸弘(国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科)
  • 河岸由紀男(富山大学医学部第一内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
成人喘息有症率調査として2年度にRDD法による全国電話調査を実施し、今年度全国の10カ所での住民調査を実施し平均を全国の成人喘息有症率とすることにした。
研究方法
1.特定地域における成人気管支喘息有症率調査
訪問調査法により1地域約2,500人以上を対象にECRHS調査用紙で実施。
2.QOL調査
小児喘息の養育者のQOLを測定する尺度としてより養育者の視点に基づいたものが必要であり、その開発をおこない最終的に24項目から成る三次調査票を作成。
3.3歳児のアレルギー疾患の発症と環境因子の関係に関する研究
富山県での3歳児健診時に調査票を送付して回収をおこなった。
結果と考察
特定地域における成人気管支喘息有症率調査 (%)
- - - - - - - - 20-85歳 - - - - - - - - - 20-44歳
- - - - - - - - 全体 - 男性 - 女性 - 全体 - 男性 - 女性
北海道上士幌町 - 11.4 - 13 - - 9.8 - 10.2 - 10.9 - - 9.6
世田谷区砧町 - - 12.4 - 13.3 - 11.5 - 13.3 - 15.1 - 11.4
神奈川県相模原市 10.6 - 11.4 - 9.8 - 10.9 - 11 - - 10.8
静岡県藤枝市 - - 7.1 - -7.7 - - 6.7 - 8.4 - 8.4 - - 8.3
岐阜県御嵩町 - - 9
広島県
安芸太田町 - - - 12.9 - 15.8 - 10.2 - 10.7 - 11 - - 10.3
岡山県倉敷市 - - 9.5 - - 9.3 - 9.8 - - 9.1 - 8.9 - 9.3
高知県南国市 - - 9.5 - - 10 - 9.1 - - 8.4 - 8.2 - - 8.6
富山県
婦中町神保地区 - 9.3 - -10.8 - 7.8 - - 6.7 - - 7.1 - 6.2
福岡県福岡市 - - 12.5 - 14.3 - 11.5 - 12.8 - - 19.4 - 11.2
QOL調査では三次調査票は、24項目に絞り込み信頼性分析の結果はTest-rest法で行った。
富山県における3歳児のアレルギー疾患の発症と環境因子の関係に関する研究では、喘息13.9%、アレルギー性鼻炎 5.5%、アトピー性皮膚炎15.1%、食物アレルギー11.6%であった
結論
成人喘息有症率は、20-44歳で9.7%、 20-85歳で10.4%であった。電話法とも大きな差はなかった。

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200631008B
報告書区分
総合
研究課題名
気管支喘息の有病率・罹患率およびQOLに関する全年齢階級別全国調査に関する研究
課題番号
H16-免疫-一般-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
赤澤 晃(国立成育医療センター総合診療部小児期診療科)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 一男(国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター)
  • 高橋 清(国立病院機構 南岡山医療センター)
  • 中川 武正(川崎市立多摩病院アレルギー科)
  • 小田嶋 博(国立病院機構 福岡病院)
  • 小林 章雄(愛知医科大学医学部衛生学講座)
  • 烏帽子田 彰(広島大学大学院医歯薬学総合研究科公衆衛生学研究所)
  • 中村 裕之(金沢大学大学院医学系研究科環境生態医学講座)
  • 西村 正治(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野(第一内科))
  • 足立 雄一(富山大学付属病院小児科)
  • 大矢 幸弘(国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科)
  • 河岸 由起男(富山大学医学部第一内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アレルギー疾患の治療法に開発、治療ガイドラインの作成、予防対策を実施していくには、アレルギー疾患の有症率等の記述疫学調査がまず必要である。本研究は、日本における気管支喘息の記述疫学調査の基本ができること、今後の疫学調査あり方について提言できることを目的とした。
研究方法
初年度は、ISAAC, ECRHS調査用紙の日本語化。
2年度は、全国47都道府県(6-8歳64,424人、13-15歳70,008人)と特定地域として東京都、世田谷区、富山県、北九州市においてISAAC調査用紙での有症率調査を実施した。成人は電話調査によるECRHS調査を大規模に実施した。
3年度は、全国10地域(相模原市、藤枝市、岐阜県御嵩町、世田谷区砧町、広島市安芸太田町、倉敷市、高知県南国市、福岡市、富山県婦中町神保地区、北海道上士幌町)における成人喘息有症率調査を実施。
小児気管支喘息の養育者のQOL調査用紙のを開発をおこない24項目から成る調査票を作成した
結果と考察
全国全年齢気管支喘息有症率調査
気管支喘息期間有症率(最近12ヶ月間の喘鳴の有無) %
- - - - - - - - - - 全体 - - 男性 - - 女性
6 - 7歳 ISAAC調査 - - - 13.9 - - 16.3 - - 11.5
13-14歳 ISAAC調査 - - - 8.8 - - - 9.1 - - 8.5
20-44歳 ECRHS電話調査 - - 8.1 - - - 9.5 - - 7.5
20-44歳 ECRHS 9地区訪問調査9.7 - - - 10.1 - - 9.4
20-80歳 ECRHS電話調査 - - 9.1 - - - 11.3 - - 8.0
20-80歳 ECRHS 9地区訪問調査 10.4 - - 11.5 - - 9.4
ISAAC調査での喘息、アレルギー性鼻結膜炎、アトピー性皮膚炎との合併は6-7歳で33.7%、13-14歳で31.7%であった。
考察
今回の調査が我が国の気管支喘息の全国的かつ全年齢に渡る調査であることから、疫学調査として中間点として整理できたことは今後のガイドライン、予防対策の効果を観察していく上で重要である。
結論
ISAAC, ECRHS調査用紙による我が国の気管支喘息の記述疫学調査を実施した

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200631008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
気管支喘息治療対象者に視点をおいたISAAC, ECRHS調査での国内発の全国規模、全年齢をカバーした調査であり、気管支喘息治療対象患者数の予測ができる。また、国内での偏りを観察することができた。今後の経年的に繰り返し同一の手法で調査することによって喘息患者の推移を分析できる。
臨床的観点からの成果
これまで治療が不十分で医療機関に受診していなかった患者についても、症状をベースに治療対象者を検出することができた。喘息死や喘息発作での救急外来受診、入院になる患者を減少させるためにはこうした患者に対して啓発活動が必要となることが考えられる。
ガイドライン等の開発
国際ガイドラインであるGINAでは、これまで国際的に実施されてきたISAAC調査、ECRHS調査を基本的な疫学データとしている。日本では、これまで十分なデータがかったが今回に調査結果で国際的に有症率を比較することができる。
その他行政的観点からの成果
全国および都道府県別の気管支喘息有症率を調査したので、これまでの喘息死のデータなどと検討し、喘息死ゼロ、救急受診数の減少を目標とした患者への啓発を都道府県別に具体的に実施する際の資料とすることができる。経年的に実施することにより、ガイドラインの効果、行政単位での予防対策等の効果を分析するためのデータとなる。
その他のインパクト
平成18年12月30日毎日新聞に小児喘息有症率調査のことが掲載された。
これまでの診断ベースの調査とことなり、実施に症状を有している人を調査しているためその数字はこれまでの2倍以上になっている。しかし、治療の必要性を認識することにより喘息対策が進むことが考えられる。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
19件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
21件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-