安全・安心な母子保健医療提供体制整備のための総合研究「子どもの病気に関する包括的データベースの構築とその利用に関する研究」

文献情報

文献番号
200620026A
報告書区分
総括
研究課題名
安全・安心な母子保健医療提供体制整備のための総合研究「子どもの病気に関する包括的データベースの構築とその利用に関する研究」
課題番号
H17-子ども-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
原田 正平(国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 忠明(国立成育医療センター研究所 成育政策科学研究部)
  • 中村 好一(自治医科大学 公衆衛生分門)
  • 山口 清次(島根大学 医学部 小児科)
  • 松原 洋一(東北大学大学院 医学系研究科 遺伝病学)
  • 掛江 直子(国立成育医療センター研究所 成育政策科学研究部)
  • 根東 義明(東北大学大学院 医学系研究科 医学情報学 )
  • 山野邉 裕二(国立成育医療センター病院 医療情報室 )
  • 藤本 純一郎(国立成育医療センター研究所 副所長)
  • 坂本 なほ子(順天堂大学 医学部 公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
29,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)子どもの病気に関する包括的DB構築は可能か、(2)既存のDBとの統合方法の提唱、(3)包括的DBの利活用方法、(4)DB構築のための社会的支援の必要性、(5)より精度の高いDBの構築とその継続可能性、(6)インターネットを利用したDB構築の可能性、(7)電子カルテとの連携の可能性、(8)電子化された医療情報として普及させるための方法論、(9)構築されたDBの利用に関する取り決め。
研究方法
(1)「症例情報DB」に平成10?17年度の小児慢性特定疾患治療研究事業(小慢事業)医療意見書の延べ839,478人分の電子データを取り込ませた。(2)二つの情報源を自動照合し標識再捕法により疾患頻度を推計するプログラム開発。(3)小慢の非継続例の予後調査を施行。(4)諸外国の小児がん登録体制を現地調査。(5)専門医の診断ネットワークシステムを活用した先天代謝異常症の登録システムを稼働。(6)第19回川崎病疫学全国調査の実施、インターネットを利用した登録プログラム開発。(7)国立成育医療センターの電子カルテからDB登録用データの抽出可能か検討。(8)メディカルセルと呼ばれる医学医療知識の最小流通単位の実証実験。(9)構築されたDBの利用に関する取り決めの検討。
結果と考察
(1)「症例情報DB」により精度の高い多数疾患を対象とした網羅的な症例登録が可能となった。(2)新規開発したプログラムは少数例では実用的。(3)非継続例の予後調査により死亡例の経過などの追加情報を入手。(4)諸外国の登録体制との比較でDB構築のための社会的支援の必要性が示された。(5)重症例の登録が少なく、悉皆性の確保に様々な手段の検討が必要であった。(6)インターネットを利用した登録プログラムの実証実験を平成19年度に予定。(7)電子カルテからのDB登録用データの抽出が可能。(8)メディカルセルは有用であった。(9)成人の慢性特定疾患治療研究事業の電子情報利用に関する取り決めに類似した方法論を検討中。
結論
次年度に(1)小児科関連の各専門学会と連携し症例登録DBとの統合を図る、(2)各学会に「症例情報DB」を利用したより効率的なDB構築を提言する、(3)インターネットや電子カルテを利活用し、より効率的で精度の高い情報収集、情報提供システムを提言する、(4)電子情報利用の取り決めを公的に定める、(5)DB構築への社会的支援の具体案を提言する。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
-