細胞組織利用医薬品の品質・安全性等の評価に関する基盤技術開発研究

文献情報

文献番号
200608052A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞組織利用医薬品の品質・安全性等の評価に関する基盤技術開発研究
課題番号
H17-再生-一般-021
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 内田 恵理子(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 鈴木 孝昌(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 水口 裕之(独立行政法人医薬基盤研究所 遺伝子導入制御プロジェクト)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
31,832,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
細胞組織利用医薬品の品質・安全性確保のために、ウイルス等の感染性因子の高感度・高精度検出法や、細胞の特性解析法、品質・安全性等の評価技術の開発を目指す。
研究方法
①感染性因子の安全性評価技術開発、
②細胞の同一性や遺伝的安定性評価手法の開発及び細胞のがん化予測指標の探索、
③細胞由来生理活性物質のプロファイリング技術や構造解析技術の開発、
④細胞特性指標の探索、
⑤新規免疫原性評価技術の開発
の各分野ついて研究を行った。
結果と考察
①ポリエチエンイミンを結合した磁性粒子を用いたウイルス濃縮法のヒト肝炎ウイルスへの適用を検討し、HAV、HCV陽性ヒト血漿検体からの濃縮に有用であることを明らかにした。
②オリゴヌクレオチドをプローブとしたCGH(Comparative Genome Hybridization)アレイ及び一塩基多系(SNP)アレイが細胞組織利用医薬品の染色体レベルでの遺伝的安定性評価に有用であることを示した。
③細胞表面のトリプシン処理により得られる遊離ペプチドを用いたペプチドミクス解析、及び細胞全体の網羅的糖鎖プロファイリング法が細胞特性解析法として、また培養条件による特性の変化の評価系といて有用であることを示した。
④初期血管内皮前駆細胞(EPC)がトロンボポエチンに依存する分化・増殖作用を持つこと、及び増殖性内皮細胞(OEC)がEPCの特性指標であるインターロイキン8に対して遊走促進作用を持つことを明らかにした。さらに心筋細胞分化を例に、未分化細胞の特定細胞種(心筋細胞)への分化能との因果関係を示す遺伝子群の同定法を開発した。
⑤細胞治療薬の製造工程由来不純物であり、ヒトに対する抗原性物質として懸念されるN-グリコリルノイラミン酸の液体クロマトグラフィー/質量分析法を用いた高感度定量法を開発し、その細胞中含量が種々の培養条件で変動することを明らかにした。また、ヒト造血幹細胞を含む画分であるCD34陽性細胞への35型アデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入において、35型アデノウイルスベクターのペントンベースArg-Gly-Asp配列とCD34陽性細胞に発現したインテグリンとの相互作用の重要性を明らかにした。
結論
今年度の成果は、細胞組織利用医薬品等の品質・安全性等の確保を目的とした、特性解析法や製造工程の評価のための基盤技術となると考えられる。

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