国際的な感染症流行等の発生動向の監視システムのあり方、非政府機関とのネットワークのあり方、国際機関との連携や情報共有システムのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200605001A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な感染症流行等の発生動向の監視システムのあり方、非政府機関とのネットワークのあり方、国際機関との連携や情報共有システムのあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-一般-101
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
岡崎 勲(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 哲(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
  • 渡辺 良久(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
  • 木ノ上 高章(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
  • 古屋 博行(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
過去二年間の国際機関、政府機関についての聞き取り及びNGOのアンケート調査より、日本のNGOが情報の必要性を訴え、情報提供にはやや消極的であることと対照的に、タイの現地NGOの調査結果からは積極的に情報提供したいという意欲がみられた。その連携のあり方について考究する。
研究方法
発展途上国の地方で活動するNGOからの情報収集・提供のためのパイロットシステムを開発し、インターネットに公開することにより、利用者からの生の声を収集した。現地NGOに説明の際、タイ公衆衛生省実地疫学センター、チェンマイ県畜産局より情報聴取および協議を行った。
結果と考察
WEBの構成は、遅い通信環境でも利用可能なように、グラフィックを避け、記憶容量をとらないように配慮した。団体認証画面、団体登録画面、一般情報提供、感染症等関連情報登録のページからなるサイトを構成し、アップロードした。実際のウェブについて辺境地に活動エリアを持つ、チェンマイのNGOを訪問して、ウェブの説明、実際の画面を紹介しつつ、記入式のアンケートを記入後、タイ国協力者に送付・翻訳し、メールで送信を受けた。タイは、平成17年度の「積極的に情報提供したいという」NGOアンケート調査の結果のみならず、A.山岳部国境を周辺国と共有する、B.熱帯に位置する、C.国内に多様な文化背景をもつ多くの民族を抱えるなど、このウェブが全世界で利用されるならば絶好のパイロット地区とも言える。聴取NGOは、非常にこのプラットフォームの有用性を強調し、一方でWHOのアラートシステムについては知らない団体が多かった。タイ公衆衛生省実地疫学センターは活発なサーベイランス活動を行っているものの、彼らの開発したウェブは、部内のみの書き込みとなっており、情報の公開についても時間を要することから、速報性、緊急警告性については活用が難しいことがわかった。また畜産局における家畜感染症サーベイランスについては、対象に象が含まれるなどの特異的な活動があるが、家畜と野生動物の関連から環境行政部門との連携が重要であることが知らされた。
結論
感染症情報共有ネットワーク化ためのウェブについて、その必要性が示された。各国語版NGOウェブの運用が強く望まれ、その運営により、WHOのアラートシステムを補完し、日本の国際貢献にも役立てられると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
-

文献情報

文献番号
200605001B
報告書区分
総合
研究課題名
国際的な感染症流行等の発生動向の監視システムのあり方、非政府機関とのネットワークのあり方、国際機関との連携や情報共有システムのあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-一般-101
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
岡崎 勲(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 哲(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
  • 渡辺 良久(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
  • 木ノ上 高章(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
  • 古屋 博行(東海大学医学部 基盤診療学系公衆衛生学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
発展途上国においては、感染症等発生情報を的確かつ即時に収集するしくみが構築されておらず、そのため政府機関においては不的確な情報での意思決定を迫られ、意思決定の遅れ、情報公開の遅れが発生する原因となっている。本研究においては、実証研究としての1)感染症流行等の発生動向監視システム研究開発と2)国際機関、各国政府機関、非政府機関等との連携・情報共有システムのあり方に関する研究を行う。2)においては、GO諸機関からの情報収集に基づき、並行して行う国内NGOアンケート調査や外国におけるNGO活動の情報収集を通じて、連携のあり方を策定する。
研究方法
1) ICD-10のラオス語版への、分類の流し込みについてラオス側と協議しパイロットプラン用予測プログラム開発(英語版)を行う。開発した予測プログラムの稼働テストを行い、操作不具合、活用上の問題点等を整理する。2) e-mailにより調査可能な国、機関・NGOのリストを作成し、国内およびタイのNGOに対して郵送アンケート調査を行う。NGOのネットワーク化のためのウェブサイトをインターネットに公開し、利用に関する生の声を収拾する。タイおよびラオスの関係施設を訪問し、感染症情報等の共有のあり方を協議した。WHO-WPRO尾身茂先生による講演会・パネルディスカッション・NGOによる保健医療情報共有のあり方について国際シンポジウムを開催した。
結果と考察
1) ラオス地方ヘルスセンターを対象施設に選び、現地パイロットスタディー用プログラムの開発を行った。引き続きデータ通信実験を行なったが、当初の研究協議に反して、インフラ整備の問題から先方ヘルスセンターにおける通信困難性のために選定地区での通信実験が継続できなかった。2)日本と比較して、タイの現地調査結果からは積極的に情報提供したいという意欲がみられたのでアップロードしたプロトタイプのWEBについてタイで意見聴取した。聴取団体から高い必要性が指摘された。尾身先生は、新興保健医療問題に対処するエンパワーメントの重要性を指摘された。
結論
感染症情報共有ネットワーク化ためのウェブについて、WHOなどの活動を補完するプラットフォームの必要性が強く示された。サーベイランス活動が盛んなタイにおいてさえ、新興感染症におけるセクター間調整が必須であると思われた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200605001C