モダンバイオテクノロジー応用食品の安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
200636049A
報告書区分
総括
研究課題名
モダンバイオテクノロジー応用食品の安全性確保に関する研究
課題番号
H18-食品-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
西島 正弘(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 米谷民雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 小関良宏(東京農工大学工学部)
  • 手島玲子(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、第二世代にあたるモダンバイオテクノロジーを応用した食品の安全性確保のための科学的知見の蓄積、当該食品の検知法の確立及び遺伝子組換え魚、薬用遺伝子組換え(GM)植物、リスクコュニケーション等に関する調査研究を行い、遺伝子組換え食品の安全性のより一層の確保を目的とする。
研究方法
遺伝子組換え体の安全性に関するポストゲノム手法導入のための網羅的プロファイリング解析では、遺伝子組換えアマゴをモデル体としてゼブラフィッシュのDNAチップを用いるトランスクリプトーム、2次元電気泳動によるプロテオーム、FT-ICRMSを用いるメタボローム解析を行った。組換え食品の検知法に関する研究では、安全性未審査の2系統の遺伝子組換えコメ(LLRice601、Bt63)を対象とした定性試験法の開発、
安全性審査の終了した遺伝子組換えとうもろこしの定量法の開発、既知遺伝子組換え作物に関するデータベースの整備を行った。アレルギー性に関する安全性評価手法の開発では、遺伝子組換えアマゴを用いたアレルゲノーム手法を用いるアレルゲン性試験、食物アレルギー動物モデルを用いた評価並びにアレルゲンデータベース(ADFS)の更新を行った。また、遺伝子組換え食品の動向調査として、リスクコミュニケーション、組換え微生物、遺伝子組換え魚、遺伝子組換え動物、GM薬用植物等に関して、現状の把握を行い、モデル組換え体の開発にも着手した。
結果と考察
非意図的影響を知るためのポストゲノム手法導入のための調査研究では、アマゴの網羅的プロファイルの比較解析が可能となった。遺伝子組換え食品の検知に関する試験法の確立では、安全性審査未了の2系統の組換え食品の定性検査法を開発し、公定検査法として公開した。アレルギー性に関する研究では、アレルゲノーム手法による遺伝子組換えアマゴのアレルギー性評価手法を確立し、エピトープ情報を搭載したアレルゲンデータベースの更新を行った。遺伝子組換え食品の動向調査では、第二世代のGM食品のリスクコミュニケーションに関しての留意点について検討を行った。
結論
第二世代のGM食品のより一層の安全性確保のため、安全性に関する研究を中心に、当該食品の検知に関する試験法の確立及びリスクコミュニケーション等に関する動向調査を持続するとともに、透明性を確保しつつ、より一層の安全確保、消費者の不安解消に努める必要があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
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