ワクチンの開発研究の現状と今後の研究開発目標に関する調査研究

文献情報

文献番号
200606049A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチンの開発研究の現状と今後の研究開発目標に関する調査研究
課題番号
H18-特別-016
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「安全に資する科学技術推進戦略」(H18.6)や「ワクチン産業ビジョン」(H19.3)では、ワクチン等の開発に資する科学技術基盤強化等の提言や、新ワクチンや改良ワクチンのシーズを開発現場に提供する枠組みの構築が重要とされているが、先端的基礎研究を行っている国立感染症研究所等の主な研究機関では、それぞれの特徴を生かした共同研究体制が十分に構築されていないとの指摘もある。本研究は、今後、実施すべきワクチン研究開発事業の方向性を検討するための基礎資料を得るとともに、着実なワクチン開発推進のための基盤研究開発目標等について調査研究することを目的とする。
研究方法
(1)国内外のワクチン開発研究の現状調査
 文部科学研究費補助金、厚生労働科学研究費補助金の研究成果データベースからの調査、主な国内研究機関における研究状況の調査及び外資系企業等を通じた海外での研究状況を調査する。
(2)ワクチン開発のための基盤研究開発目標の検討
 国立感染症研究所等の研究機関及び製薬団体等の研究協力者との意見交換により、ワクチン研究開発課題・目標について、共通的に必要な技術課題等を取りまとめる。
結果と考察
 ワクチン開発の横断的研究開発課題である「アジュバント」「新しいベクター」「投与経路・デリバリー」を中心に研究推進することが、日本発の新しいワクチン開発につながると考えた。これらの研究を進めることにより、現行のワクチンより投与が簡便で、安全性に勝る有用なワクチンの開発ができると思われた。このためには、指導・助言体制の整備や有効性・安全性の評価に関する研究の推進、研究機関間あるいは研究機関と製薬企業との連携、治験の基盤的な環境整備も不可欠である。
結論
 迅速かつ効果的なワクチン開発には、共用できる基盤研究分野の研究推進が必要であり、横断的研究開発課題を中心に関係する研究機関等が連携し、統一的な戦略に基づき研究を進めることが望ましい。また、ワクチン開発を進める上で、研究開発指針の策定に向けた研究、治験環境の整備、企業との連携体制の整備等が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200606049C

成果

専門的・学術的観点からの成果
わが国において、迅速かつ効果的にワクチンを開発していくためには、ワクチン開発に共通に用いることができる基盤研究分野の研究を推進していくことが必要である。横断的研究開発課題として「アジュバント」「新しいベクター」「投与経路・デリバリー」を中心に、関係する研究機関等が連携し、統一的な戦略に基づき研究を進める必要があり、これらは関係者との意見交換においても支持されていると考えられた。
臨床的観点からの成果
 今後、わが国における次世代ワクチンの開発にあたっては、ウイルスや細菌などの微生物に対する自然免疫、獲得免疫系を各々の病原性、侵入門戸・機構のメカニズムに立脚し、選択的に賦活することが必要である。さらに次世代ワクチンとしての有効性、安全性を考慮して研究を進める必要があるなど、アウトカムを見据えた開発研究の連携を図るための戦略・推進体制等の構築が必要と考えられた。
ガイドライン等の開発
 我が国におけるワクチン開発進める上で、「ワクチンの非臨床安全性試験に関するガイドライン」、「ワクチンの臨床試験における評価に関するガイドライン」などの研究開発指針の策定に向けた研究、治験環境の整備、企業との連携体制の整備等が必要と考えられた。
その他行政的観点からの成果
 産学官に所属する先導的役割を果たしている基礎研究者、開発研究者、臨床研究者、行政官、審査官などが日本発世界に向けた次世代ワクチン開発という大きな目標を共有し、国民の支持を得た環境下でベンチからフィールドを目指した次世代ワクチン開発戦略と推進が不可欠であると考えられた。
その他のインパクト
 「日本発のワクチン開発をめざして(平成19年2月7日・東京)」と題した先端的ワクチン開発研究の状況についてのシンポジウムを開催し、約200名のワクチン研究者等の参加を得た。ここでも、横断的研究開発課題として「アジュバント」「新しいベクター」「投与経路・デリバリー」に集約できることが支持された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
-