化学物質の評価におけるカテゴリー・アプローチの高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200501162A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の評価におけるカテゴリー・アプローチの高度化に関する研究
課題番号
H17-化学-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
林 真(国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部)
研究分担者(所属機関)
  • 江馬 眞(国立医薬品食品衛生研究所 総合評価研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本において年間10万種以上の化学物質が生産されており、そのうち、安全性が分かっている化学物質は非常に少ない。これらの化学物質について安全情報を得るためには毒性試験を実施しなければならないが、全ての物質について試験をするのには多大な時間と予算を必要とする。そこで類似した化学物質を一つのグループに分類し、現在得られている毒性情報からグル-プ全体の毒性学的特徴を推測する手法が検討されている。この手法を応用することで多くの化学物質が一括して評価することが出来る。本研究はこの手法の開発を目的とする。
研究方法
カテゴリーを組む際には、特定の化学物質に近縁の物質を幅広く選び出す必要があり、そのためにデータベース(DB)が必要となる。本年度は、日本の既存化学物質の約12万の物質についてのデータベースを作製し、OECDのガイダンスを参考に、日本チャレンジプログラム中の1物質についてカテゴリーアプローチを実施した。
結果と考察
約12万以上の既存化学物質の名称・構造式等が格納されたDBを作製した。このDBを利用して、日本チャレンジプログラムから1-ブロムプロパンを例にとり、ヒト毒性を中心にカテゴリーアプローチを試みた。類似物質の抽出には鎖長の違いを参考にし、炭素数1のブロモメタンから炭素数22の1‐ブロモドコサンを抽出した。しかし、炭素数13の1-ブロモトリデカン以降は、現在 国内での生産実績が無いと予想されることから毒性データ収集候補物質から除外した。ブロモメタンから炭素数12の1-ブロモドデカンについて既知の毒性情報を収集したところ、炭素数4のブロモブタン以降についてはカテゴリー化に必要な情報が得られなかった。また、ブロモメタンについてはモントリオール議定書により生産が中止されることを考慮し、炭素数2のブロモエタンと炭素数3のブロムプロパンについてのカテゴリー化が可能と思われた。しかし、(Q)SARモデルの予測結果を考慮すると炭素数13のブロモトリデカンまて、一括してカテゴリー化を試みた。
結論
化学物質のカテゴリー化に必要なデータベースの作製を行い、このデータベースを利用して、1-ブロムプロパンの類似物質を抽出した。これらの化合物の毒性情報を収集した後、カテゴリー化を試みた。その結果、炭素数2のブロモエタンと炭素数3のブロムプロパンのカテゴリー化が可能と思われた。

公開日・更新日

公開日
2006-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-11-28
更新日
-