医療機器・医用材料の安全性評価手法開発に関する研究

文献情報

文献番号
200501133A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器・医用材料の安全性評価手法開発に関する研究
課題番号
H16-医薬-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 利江(国立医薬品食品衛生研究所 療品部)
研究分担者(所属機関)
  • 配島 由二(国立医薬品食品衛生研究所 療品部 )
  • 新谷英晴(国立医薬品食品衛生研究所 療品部 )
  • 五十嵐良明(国立医薬品食品衛生研究所 療品部 )
  • 佐藤道夫(国立医薬品食品衛生研究所 療品部 )
  • 伊佐間 和郎(国立医薬品食品衛生研究所 療品部 )
  • 小林郁夫(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 素材研究部門)
  • 松永佳世子(藤田保健衛生大学医学部皮膚科)
  • 澤田留美(国立医薬品食品衛生研究所 療品部 )
  • 角田正史(北里大学医学部衛生学公衆衛生学)
  • 堤 定美(京都大学再生医科学研究所生体機能学部門シミュレーション医工学分野)
  • 脇谷 滋之(大阪市立大学医学部整形外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器の安全性を評価するために、現行厚生労働省ガイドラインには記載されていない新しい手法の開発を行うことを第一の目的とする。バルク材料のエンドトキシン評価、添加剤や金属材料の免疫毒性評価、人工骨用金属合金の安全性・有効性評価において臨床実態に近い評価手法を開発する。Ti/Ni合金の安全性評価手法の開発も行う。整形インプラントの力学的・安全性試験の厚生労働省ガイドラインを作成することを第二の目的とする。
研究方法
エンドトキシンの生体影響を評価する。新規抗菌材料を開発する。滅菌による損傷菌の生育性能回復について検討する。アレルゲン評価の非RI-LLNA法を検討する。抗血栓薬の薬物代謝酵素遺伝子の遺伝子多型について対照血液で検討する。新チタン合金を試作し、生体反応を評価する。Ti/Ni合金の溶出試験を各種条件において行う。金属アレルギーについて調査する。人工硬膜に使用される生分解性材料の残存触媒等について、埋植試験で評価する。脊椎固定器具のコンピューターシミュレーションによる力学的安全性評価を行う。軟骨修復ヒト臨床類似の動物モデルを検討する。
結果と考察
新規抗菌材料は高い抗エンドトキシン活性を示した。滅菌後の損傷菌の回復には培地により差があった。アレルゲン評価の非RI-LLNA法には、更に条件の検討が必要だった。抗血栓薬ワーファリンのターゲット遺伝子について日本人で多型が報告されているSNPを抽出した(29SNP)。金属材料の米国と国内の破損等の不具合情報を整理した。Ti-Zr基合金は骨芽細胞の増殖・分化を促進するが、Ti-6Al-4V合金は抑制した。Ti/Ni合金の溶出試験で環境条件に関する考察を得た。インプラントと金属アレルギーに明確な因果関係があった症例は少なかった。スズ系触媒含有インプラントで脳に障害発生が示唆された。ねじの引抜強度を解析可能だった。骨髄細胞移植物で軟骨欠損が修復した。
結論
新規抗菌材料を開発。滅菌バリデーションには損傷菌による評価が必要。非RI-LLNA法は、感度は低いが短時間で評価可能。Niアレルギーの不具合情報を調査。骨形成能が高い新チタン合金を開発。Ti/Ni合金の溶出試験には食塩水と塩酸が有用。アレルギーに関するより広範な調査が必要。生分解性材料に使用されるジブチルスズの毒性は強い。コンピューターシミュレーションは有用。ミニブタモデルで関節軟骨修復実験可能。

公開日・更新日

公開日
2006-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-11-28
更新日
-