文献情報
文献番号
200501001A
報告書区分
総括
研究課題名
GHSの分類技術とラベル理解度に関する調査研究
課題番号
H16-労働-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
城内 博(日本大学大学院理工学研究科医療・福祉工学専攻)
研究分担者(所属機関)
- 酒井 一博((財)労働科学研究所)
- 大倉 元宏(成蹊大学 工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
9,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
GHS(化学品の分類と表示に関する世界調和システム)は、化学品の危険有害性情報を、世界統一の判定基準で分類し、その結果に基づいて絵表示、注意喚起語、危険有害性情報、取扱い上の注意書き等をラベルやMSDSに記載するシステムである。これは2003年に国連勧告として出され、世界的な実施の努力目標が2008年におかれている。我が国でもこれの実施に向けてさまざまな活動がなされており、労働安全衛生法の表示に関する条項は2005年にGHS準拠とするよう改正され、2006年末には施行されることが決まっている。本研究はGHSを速やかに我が国に導入するための支援方策について検討した。
研究方法
GHSの実施では、二つの異なる対象群に対する支援が必要となる。一つはラベルやSDSに記載される危険有害性情報の受け手である労働者、消費者、輸送担当者、緊急時対応者に関するもので、理解度の向上に関する支援である。もう一つは危険有害性情報の提供者に関するもので、危険有害性の分類に始まり、その結果をラベルやSDSに反映させる作業に関する支援である。平成17年度はGHSの実施を短期間に効果的に行うためにキーになると思われる以下の項目について検討した。①モデルラベルの提案、②ラベル作成のためのモデル絵表示の作成、③ラベルに記載された情報を理解するために必要な教育内容の検討および教育用パンフレットの作成、④化学品の危険有害性の分類を行うために必要な知識や情報収集能力を持った専門家育成のためのマニュアルの開発、④視覚障害者に対する化学品の危険有害性情報の伝達方法の提案
結果と考察
①モデルラベルはJISに一例を示すこととなった。②実際のラベル作成のための便宜を図るために、9種類の絵表示について1cmから8cmまでの大きさのものを作成し、電子伝情報化した。③ラベルを理解するためのパンフレットをGHSに準拠して作成した。④「GHS対応による混合物(化学物質)のMSDS作成手法の研修」マニュアルの作成に貢献した。⑤ICタグと携帯電話による音声情報は視覚障害者にとって非常に有望な手段であることを示した。
結論
平成17年度の研究計画はほぼ達成できたと考える。GHS実施のための活動は今後も継続的に必要であり、まだまだ多くの課題が山積している。本研究の成果が今後の活動に役立つことを期待する。
公開日・更新日
公開日
2007-06-22
更新日
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