エビデンスを適切に統合するメタ・アナリシスの理論、応用と普及に関する調査研究

文献情報

文献番号
200501266A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスを適切に統合するメタ・アナリシスの理論、応用と普及に関する調査研究
課題番号
H15-医療-032
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
丹後 俊郎(国立保健医療科学院 技術評価部)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方 裕光(国立保健医療科学院)
  • 山岡 和枝(国立保健医療科学院)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院)
  • 折笠 秀樹(富山医科薬科大学)
  • 野添 篤毅(愛知淑徳大学)
  • 橋口 正行(北里大学)
  • 野口 善令(藤田保健衛生大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今日、Evidence based Medicine の概念は普及し、システマティックレビューはそれなりに普及してきた。しかし、収集された既存の調査研究から得られる科学的根拠とその信頼性を正しく評価し、まとめる方法論としてのメタ・アナリシスの普及は遅れている。本研究の目的は、メタ・アナリシスの理論、応用と普及に関する調査研究を行うことにある。
研究方法
メタアナリシスの方法論、知慮効果・検査診断の評価など広範囲の分野にわたるメタ・アナリシス関連の10テーマを行った。(1)ウェブサイト上の健康情報の評価、(2)メタ・アナリシスに向けた2つの回帰直線の傾きの比の信頼区間の構成、(3)メタ・アナリシス研究のチェックリストに関する調査、(4)H.pylori 除菌療法におけるプロバイオティクス併用の有用性に関するメタアナリシスによる評価、(5)換気血流シンチとヘリカルCTの肺塞栓診断特性の比較-メタ分析、(6)循環器疾患の危険因子・予防因子に関するメタ・アナリシス、(7)糖尿病予防のための栄養教育効果の評価とメタ・アナリシスに関する研究、(8)日本での循環器領域における大規模臨床試験の動向に関する研究、(9)日本の年間治験参加者数の推計、(10)環境要因の健康リスク評価におけるメタ・アナリシスの応用に関する研究。
結果と考察
紙面の都合上幾つかの結果を例示するにとどめたい。治療効果の評価研究において、H. pylori 除菌療法でのプロバイオティクスの併用において、非併用よりH. pylori 除菌や有害事象の軽減において優れた効果を示し、特に後者においてプロバイオティクスの併用は有用であるという結果が得られた。検査診断の評価を目的として行われた研究では、肺塞栓の診断にはヘリカルCTをV/Qスキャンの代用として用いることができると考えられた。他の分担研究については省略するが、いずれも興味深い、かつ、国際的にも価値のある結果が得られ、その一部は学術雑誌に掲載された。
結論
本研究班の研究では、無作為化比較臨床試験における治療効果、疫学研究におけるリスク因子の評価など、広範囲の医療技術の評価メタアナリシスを応用した研究を実施してきた。さらに、単なる応用にとどまらず、新しい方法論の開発も問題オリエンテッドに検討して世界に発信してきた。その意味で、学術的・国際的にも意義がある成果が得られ、今後の日本のEvidence based Medicine の更なる発展に貢献できたと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-19
更新日
-

文献情報

文献番号
200501266B
報告書区分
総合
研究課題名
エビデンスを適切に統合するメタ・アナリシスの理論、応用と普及に関する調査研究
課題番号
H15-医療-032
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
丹後 俊郎(国立保健医療科学院 技術評価部)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方 裕光(国立保健医療科学院)
  • 山岡 和枝(国立保健医療科学院)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院)
  • 折笠 秀樹(富山医科薬科大学)
  • 野添 篤毅(愛知淑徳大学)
  • 橋口 正行(北里大学)
  • 野口 善令(藤田保健衛生大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、日本における科学的根拠に基づく医療を推進するために、根拠(エビデンス)を適切に統合するメタ・アナリシスの理論、応用とその普及に関する調査研究を、治療効果、検査診断、疫学研究など広範囲の医療技術の評価にメタ・アナリシスを応用した研究を実施するとともにメタ・アナリシスの新しい方法論を開発する。
研究方法
次の8つの分野で研究を展開した:(1)新しい方法論に関する研究。(2)治療効果の評価に関する研究。(3)検査診断の評価に関する研究。(4) 健康教育の評価に関する研究。(5) 疫学研究の評価に関する研究。(6) メタ・アナリシスのための文献検索に関する調査研究。(7) 社会科学と臨床経済評価におけるメタ・アナリシスの調査研究。(8) 環境要因の健康リスク評価におけるメタ・アナリシスの応用に関する研究。
結果と考察
本研究班の研究では、急速に増加しつづける医学情報を適切に整理し、その中に眠っているエビデンスを定量的に抽出・統合することを多くの応用事例で実証し、科学的根拠に基づく適切な治療方法の選択、健康政策の決定へつなげられることを示唆した。分担研究のほとんどが学会等で発表されるとともにその一部は学術雑誌に掲載された。
結論
本研究班の研究活動により、日本人のメタ・アナリシス研究論文発表の増加など日本におけるメタ・アナリシスの普及が大きく推進されたと推察されるが、日本のEBMをより効果的に推進するために、重点領域としてメタ・アナリシス研究の更なる展開が必要である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501266C