自己免疫疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500830A
報告書区分
総括
研究課題名
自己免疫疾患に関する調査研究
課題番号
H17-難治-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一彦(東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギーリウマチ学)
研究分担者(所属機関)
  • 渥美 達也(北海道大学大学院医学研究科病態内科学)
  • 佐々木 毅(東北大学大学院医学系研究科免疫血液病学分野)
  • 簑田 清次(自治医科大学内科学講座アレルギー膠原病学部門)
  • 伊藤 聡(筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床免疫学)
  • 三村 俊英(埼玉医科大学リウマチ膠原病科)
  • 竹内 勤(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
  • 高田 和生(東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科)
  • 三森 明夫(国立国際医療センター第一病棟)
  • 平形 道人(慶應義塾大学医学部内科)
  • 深沢 徹(順天堂大学医学部膠原病リウマチ内科)
  • 広瀬 幸子(順天堂大学医学部第二病理)
  • 首藤 紘一(財団法人乙卯研究所)
  • 三宅 幸子(国立精神・神経センター神経研究所免疫研究部)
  • 加藤 智啓(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
  • 山田 亮(京都大学医学研究科附属ゲノム医学センター)
  • 西本 憲弘(大阪大学大学院生命機能研究科免疫抑制学講座)
  • 能勢 眞人(愛媛大学医学部病因・病態学講座ゲノム病理学分野)
  • 田中 良哉(産業医科大学医学部第一内科学講座)
  • 江口 勝美(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
当研究事業の対象疾病は、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)、シェーグレン症候群(SS)、成人発症スティル病であり、遺伝要因、免疫担当細胞、液性因子、疾患活動性、新しい治療法に関する研究を目的とした。
研究方法
種々の分子生物学的、免疫学的方法などを用いた。
結果と考察
1.自己免疫疾患の遺伝要因の研究
 広瀬分担研究者は、ループス腎炎におけるIL-4低産生性がIL-4受容体α鎖遺伝子多型と相関することを見いだし、能勢分担研究者は、オステオポンチンのRGDSモチーフ近傍にあるアミノ酸置換の関与を見いだした。山田分担研究者は、SLEの疾患感受性遺伝子検索の為の連鎖不平衡マッピングをシミュレーションした。 SLEの病態に関係したスプライシングについて、江口分担研究者は、抗アポトーシス効果を有するスプライスバリアントのcaspase-8Lが末梢単核細胞での強発現を、竹内分担研究者はT細胞受容体のゼータ鎖のスプライスバリアントが高頻度であることを報告した。
2.免疫担当細胞の研究
 山本分担研究者は、腎炎と強い関連があるヌクレオソームが脾臓のマクロファージなど貪食細胞で抗原提示されていることを見いだした。伊藤分担研究者はループス腎炎について、浸潤T細胞に発現している遺伝子をlaser-microdissection法で検討した。三宅分担研究者は、リンパ球の免疫寛容に重要なGRAILのノックアウトマウスの作成した。
3.自己抗体などの液性因子の研究
 渥美分担研究者は、ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体が抗凝固と向凝固の双方に働く可能性を示し、平形分担研究者は、多発性筋炎に見られるシグナル認識粒子に対する自己抗体を検討した。
4.新しい治療法に関する研究
 田中分担研究者は抗CD20モノクローナル抗体のSLE治療への試みを推進し、西本分担研究者は、抗IL-6受容体抗体による探索的治療を行った。高田分担研究者はPM/DMの間質性肺炎に対しタクロリムスの研究者主導開発を進めた。三森分担研究者はSLE治療におけるステロイドの維持・減量・中止の指標を検討し、疾患活動性のより適切な基準の必要性を示した。
結論
平成18年度に向けて、研究組織を挙げて、SLEのゲノム解析の為のDNAの収集とSLEの病勢把握の適切な指標作成の作業班を組織することが確認された。

公開日・更新日

公開日
2006-05-11
更新日
-