関節リウマチ上肢人工関節開発に関する研究

文献情報

文献番号
200500743A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ上肢人工関節開発に関する研究
課題番号
H16-免疫-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
三浪 明男(北海道大学大学院医学研究科高次診断治療学専攻機能再生医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 馬場 久敏(福井大学器官制御医学講座整形外科学分野)
  • 加藤 博之(信州大学医学部整形外科)
  • 村瀬 剛(大阪大学大学院医学系研究科整形外科)
  • 石川 淳一(北海道大学病院整形外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチ(RA)患者では、上肢の障害は長期的に見れば廃用となり、介助が必要になる例が高齢化とともに増加している。しかし、従来の上肢機能再建手術では十分な機能回復が期待できず、適切な人工関節開発の必要性が急務である。
研究方法
・三次元CADソフトで人工肩関節をデザインし、有限要素解析ソフトANSYS上で、前回報告した骨形状モデルにインプラントを置換したモデルを作成した。
・3D-CTを用いたリウマチ患者および屍体乾燥骨での上腕骨・尺骨骨髄腔の3次元形状計画
・人工肘関節置換術術前のRA患者10名から得られた3次元CTデジタルデータから独自開発した画像解析ソフトウェアを用いて上腕骨と尺骨の骨髄腔を含む表面モデルを作成し、骨皮質のデータを消去することにより骨髄腔形状の3次元データを抽出した。
・人工手関節
正常ボランティアの単純X線および3次元CT写真のデータに基づき新たな人工手関節の設計を行った。 
結果と考察
肩関節人工関節において関節窩コンポーネントの上部に骨頭の上方化を抑えるためのフードをつけた新形状にてその応力分布を三次元有限要素法を用いて検討した。この新しいコンポーネントでは、セメント層への過度の応力集中を軽減させることはできたが、フード基部は高応力を認め、形状のさらなる検討が必要であると考えられた。肘関節人工関節作製において、現在使用されている人工肘関節のステムは、非拘束型、半拘束型を含めて骨髄腔形状がほとんど考慮されておらず結果として骨セメントが必要になったり、長期での骨-インプラント間のゆるみが多く見られたりしている。三次元CTデジタルデータから上腕骨・尺骨の骨髄腔形状の3次元データを抽出した解剖学的形状に基づいたステム設計に大いに寄与すると考える。手関節人工関節作製において手関節周囲軟部組織に加わる緊張が弱くより生理学的である投げ矢面での掌背屈運動をもたらす新しい人工関節を試作した。これにより問題点の解決を図ることが期待される。 
結論
今後、試作を重ねて日本人にフィットした上肢人工関節の開発を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-