病原微生物の取扱におけるバイオセーフティの強化及びバイオセキュリティシステムの構築に関する研究

文献情報

文献番号
200500674A
報告書区分
総括
研究課題名
病原微生物の取扱におけるバイオセーフティの強化及びバイオセキュリティシステムの構築に関する研究
課題番号
H17-新興-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 和良(国立感染症研究所バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 篠原 克明(国立感染症研究所バイオセーフティ管理室)
  • 高木 弘隆(国立感染症研究所バイオセーフティ管理室)
  • 富田 康浩(国立感染症研究所バイオセーフティ管理室)
  • 佐多 徹太郎(国立感染症研究所感染病理部)
  • 宮村 達男(国立感染症研究所ハンセン病研究センター)
  • 倉根 一郎(国立感染症研究所ウイルス第一部)
  • 森川 茂(国立感染症研究所ウイルス第一部)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所ウイルス第一部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
32,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオテロ、SARS実験室感染および高病原性鳥インフルエンザの発生等で病原微生物の取扱いにおけるバイオセーフティ(BS)の強化とバイオセキ・潟eィ(BSec)システムの構築が緊急の課題となった。また、感染症法の改正が予定されており、特定の病原体については厳重な管理が求められる。本研究では実験室感染の防止および病原体の適切な保管管理を行うための国内の標準的BS・BSec体制の構築および管理体制、教育・訓練、運営法等についてマニュアル等の作成を目的とする。
研究方法
病原微生物の取扱い機関の管理体制、規則・マニュアル、教育・訓練、保有病原体の内容、BSec等の国内外の現状を把握し、BSの強化のために必要なBSの標準化についての基礎調査を行う。病原体保管管理法について、ICチップの利用等の可能性および病原体の盗難防止のため個人認証システム等のセキュリティシステムについて調査する。病原体の国際・国内輸送および病原体の消毒用エタノールおよび熱による不活性化について検討を行う。
結果と考察
BS・BSec体制についてアンケート調査から現状を明らかにした。パイロット的な教育・研修を試みた。病原体の管理業務のフローおよび施設、データに対するアクセスを含め建物全体のBSecシステム化の分析を行い、ICチップをベースとしての管理の可能性を明らかにした。今後、より具体的に病原体管理の現場の実情を勘案し実施可能な管理システム構築のための研究を行っていく。WHOが2005年に出版した病原体輸送ガイドラインの翻訳を行った。ウイルスに対する消毒用エタノールの有効性および炭疽菌の加熱処理の有効性を示した。海外のBSecシステムの現状把握ができ、概念と定義を整理し示した。本研究成果をもとに今後のシステム構築に当たり国内基準となるような各種規則・マニュアルの作成を行う。
結論
病原微生物の取扱い機関のBS体制の現状について、基礎資料を得た。病原体保管管理法についてICチップをベースとした入退館管理および病原体保管室、保管庫へのアクセスコントロールを統合的に行うセキュリティシステムを用いた病原体保管管理の有用性を示した。病原体取扱機関間での情報共有と将来的には病原体移動等について共通のシステム導入を行えるようにする。これらの研究により我が国のBS・BSecの強化・向上を行うことができる。

公開日・更新日

公開日
2006-04-07
更新日
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