文献情報
文献番号
200500519A
報告書区分
総括
研究課題名
成人T細胞白血病(ATL)をモデルとしたウイルス感染関連がんに対する革新的治療法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H16-がん臨床-038
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
岡村 純(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
- 神奈木真理(東京医科歯科大学 大学院研究科 免疫治療学分野)
- 松岡 雅雄(京都大学ウイルス研究所)
- 原田 実根(九州大学医学部 病態修復内科)
- 朝長万左男(長崎大学医学部 原研内科)
- 木村 暢宏(福岡大学医学部 第一内科)
- 宇都宮 與(慈愛会今村病院分院 血液内科)
- 谷口 修一(虎の門病院 血液内科)
- 田野崎隆二(国立がんセンター中央病院 臨床検査部)
- 増田 昌人(琉球大学医学部 第二内科)
- 鵜池 直邦(国立病院機構九州がんセンター 血液内科)
- 今村 雅寛(北海道大学大学院医学研究科 血液内科学)
- 谷脇 雅史(京都府立医科大学 大学院分子病態検査医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
安全で効果的な骨髄非破壊的移植療法(RIST)を検討し、ATLに対する革新的な新規治療体系の開発を目指す。
研究方法
同種末梢血幹細胞によるRIST:(1)第1期臨床試験長期生存例の追跡:(2)第2期臨床試験の遂行: 50?70才の急性型/リンパ腫型ATLに対して、フルダラビン、ブスルファン投与後に、HLA型一致同胞ドナーの末梢血幹細胞を移植し、安全性と有効性を検討した。(3)第3期臨床試験の計画と実施:主要評価項目を本移植術による2年全生存率、予定症例数35例とした。
同種臍帯血によるRIST:第1相案を検討した。
従来型同種移植療法の検討: 40症例の成績を後方視的に解析した。
移植療法に伴う基礎的解析:(1)HTLV-1プロウイルス量の測定 (2)RIST後のキメリズム動態の検討(3)T細胞免疫応答の解析(4)HTLV-Iの分子生物学的解析を行った。
同種臍帯血によるRIST:第1相案を検討した。
従来型同種移植療法の検討: 40症例の成績を後方視的に解析した。
移植療法に伴う基礎的解析:(1)HTLV-1プロウイルス量の測定 (2)RIST後のキメリズム動態の検討(3)T細胞免疫応答の解析(4)HTLV-Iの分子生物学的解析を行った。
結果と考察
同種末梢血幹細胞によるRISTの結果:
(1)15例中5例が移植後 4-5年を経過して社会復帰中である。(2)14例中12例で主要評価項目が達成され試験は成功と判断された。6例が死亡、8例が生存中である。(3)実施計画書は21施設中11施設の倫理委員会で承認された。
臍帯血によるRISTの検討:第1相案を検討した。
従来型同種移植療法の検討:40例中19例が生存中で3年生存率は45%であった。
移植療法に伴う基礎的解析:
(1)11例中7例でプロウイルス量が測定感度以下となった。(2)第1期試験と比較して、T細胞系細胞の完全キメラ達成が遅れる傾向が見られた。(3)移植後ATL患者から誘導されたCD8陽性CTL株の解析から、HLA-A11拘束性の2個の新規エピトープが同定された。(4)ATL細胞の5'-LTRのDNAメチル化の程度は症例により大きく異なり、tax遺伝子発現との相関ではDNAメチル化と逆相関していた。
考察)第1期、第2期試験の結果から、ATLに対するRISTの安全性が確認されつつあると考えられ、極めて有望な治療法であることが明らかとなってきた。
(1)15例中5例が移植後 4-5年を経過して社会復帰中である。(2)14例中12例で主要評価項目が達成され試験は成功と判断された。6例が死亡、8例が生存中である。(3)実施計画書は21施設中11施設の倫理委員会で承認された。
臍帯血によるRISTの検討:第1相案を検討した。
従来型同種移植療法の検討:40例中19例が生存中で3年生存率は45%であった。
移植療法に伴う基礎的解析:
(1)11例中7例でプロウイルス量が測定感度以下となった。(2)第1期試験と比較して、T細胞系細胞の完全キメラ達成が遅れる傾向が見られた。(3)移植後ATL患者から誘導されたCD8陽性CTL株の解析から、HLA-A11拘束性の2個の新規エピトープが同定された。(4)ATL細胞の5'-LTRのDNAメチル化の程度は症例により大きく異なり、tax遺伝子発現との相関ではDNAメチル化と逆相関していた。
考察)第1期、第2期試験の結果から、ATLに対するRISTの安全性が確認されつつあると考えられ、極めて有望な治療法であることが明らかとなってきた。
結論
ATLに対する同様の臨床試験は、本邦や海外にも例がなく、極めて重要な役割を担っていると考えられる。また、この成果は、移植後ウィルス感染症、HIVやC型肝炎などの難治性感染症に対しても応用が可能となる可能性がある。
公開日・更新日
公開日
2006-04-17
更新日
-