乳幼児の発育・発達段階に応じた食育プログラムの開発と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200500431A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児の発育・発達段階に応じた食育プログラムの開発と評価に関する研究
課題番号
H17-子ども-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
酒井 治子(東京家政学院大学)
研究分担者(所属機関)
  • 安梅 勅江(筑波大学)
  • 榊原 洋一(お茶の水女子大学)
  • 師岡 章(白梅学園短期大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、食を通じた子どもの健全育成のために、乳幼児とその保護者の食育プログラムを開発すると共に、その評価方法を解明することである。
研究方法
今年度は、保護者及び保育専門職の食育ニーズ把握のためのグループインタビュー、ベースライン診断として各11園計22園0~6歳児2692名を対象とした子どもの発育・発達・食生活をめぐる実態調査、日本の保育所での食育の実践状況と課題分析、保育所における子どもの調理との関わりにおける衛生面・安全面の検討、諸外国での幼児教育での食育の実践記録の分析、市町村での体制づくりを中心にすすめた。
結果と考察
1)保護者と保育専門職は食育による子どもの心と身体の育ちや、保護者の育児軽減などへの成果、そのための家庭と保育所、地域が連携した食育の取り組みへのニーズが高いことも確認できた。2)モデル園群と対象園群との間に若干の差はみられたが、一定の傾向を示すには至らず、次年度の介入のための割付はおおよそ適当であった。また、3~5歳児では肥満度が高いほど、生活リズムの混乱度が高いほど、食事中のマナーが悪い子どもほど、テレビを見ている子どもほど、有意に注意欠陥多動傾向が高いことが明らかになった。3)保育園で子どもは、栽培、収穫、下処理、加工、調理に至るまで多くのかかわりを持っており、事故防止のための衛生・安全面における配慮のポイントが確認できるマニュアルの必要性が提案された。4)2001年~2005年の米国・ニュージーランド・韓国・中国の幼児教育保育における食育実践報告から、その特徴は、①「学びとケアのコミュニティ形成」から進められていること、子どもの発達と文化を考慮した②「総合的な学びの展開」として位置づけられていること、そこには、さまざまな③「対話的学び」があることが明らかになった。5)保育所での食育実践度は高まっているものの、食育が保育実践と連動しているとは言い難い状況にあった。今後、保育の計画を食育の視点を含めて作成すること、計画-実践-評価のプロセスを全職員の連携のもとで展開すること、保育実践の特質に基づいた評価方法を考案することの必要性が明らかになった。そのためにも、各園での取り組みと共に、自治体レベルの連携体制づくりの重要性が確認された。
結論
本年度のベースライン調査の結果を基に、次年度は、各モデル園において家庭や地域と連携し、保育実践と連動した食育プログラムの開発をすすめることとした。

公開日・更新日

公開日
2006-09-20
更新日
-