MCIを対象とするアルツハイマー病の早期診断に関する多施設共同研究

文献情報

文献番号
200500335A
報告書区分
総括
研究課題名
MCIを対象とするアルツハイマー病の早期診断に関する多施設共同研究
課題番号
H17-長寿-023
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 健吾(国立長寿医療センター研究所 長寿脳科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 福山 秀直(国立大学法人京都大学医学研究科 高次脳機能総合研究センター)
  • 千田 道雄(財団法人先端医療振興財団 先端医療センター)
  • 尾内 康臣(県西部浜松医療センター 先端医療技術センター)
  • 鷲見 幸彦(国立長寿医療センター病院 外来診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
23,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
軽度認知障害(MCI)を対象とした前向きの多施設共同試験により、ADの早期診断に関するFDG-PETの有用性を中心に日本発の高いレベルのエビデンスを確立する。
研究方法
・全体研究
1)研究実施計画の詳細の検討と確定。
2)PET、MRI、神経心理検査法の実施細目を検討と症例登録用紙、症例記録用紙等の作成。
3)臨床試験登録、症例のweb登録システムの開発、研究ホームページの開設。
4)症例登録の開始。
・個別研究
5)FDG-PET画像の数値診断法AD-tusmの検討(伊藤)。
6)アルツハイマー病の早期診断におけるMRI拡散強調画像FA値の有用性に関する検討(福山)。
7)PET画像の評価法と診療に与えるインパクトについての検討(千田)。
8)画像統計解析ソフト3D-SSPのPETの脳血流画像への適用についての検討(尾内)。
9)本研究で採用するMCIの診断基準に関する検討(鷲見)。
結果と考察
・全体研究
1)研究実施計画の検討では、細目の追加・修正を行う過程で臨床経過観察の期間について、MCIからADへの移行をより多数例で確認するため、研究グループとしては長寿総合科学研究事業としての研究期間が終了後も臨床経過観察を行うこととした。
2)症例登録用紙、症例記録用紙等の作成した。
3)臨床試験登録(UMIN Clinical Trials Registry)、症例のweb登録システムの開発、研究ホームページの開設を行った。
4)症例登録の開始は当初の予定より遅れ、平成17年12月から開始した。
・個別研究
5)FDG-PET画像の数値診断法AD-tusmの検討では、ADの診断における有用性を確認した(伊藤)。
6)アルツハイマー病の早期診断におけるMRI拡散強調画像FA値の有用性に関する検討ではMCI段階での有用性が示唆された(福山)。
7)研究実施においてPET画像はブラインドによる中央読影とすること、また、PET検査の診療に与えたインパクトを評価することが重要であること示された(千田)。
8)PETの脳血流画像も脳ブドウ糖代謝画像と同様に画像統計解析ソフト3D-SSPで扱えること示した(尾内)。
9)本研究で対象とするAmnestic MCIの診断基準を明確にするため、操作的基準を設けた(鷲見)。
結論
MCIを対象とするアルツハイマー病の早期診断に関する多施設共同研究の初年度としてスケジュール的な遅れはあったが、レベルの高い臨床試験としての体制を構築して症例登録を開始した。また、関連する個別研究から全体研究に寄与する成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-04
更新日
-