疾患関連たんぱく質解析研究

文献情報

文献番号
200500194A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患関連たんぱく質解析研究
課題番号
H15-たんぱく-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 金子 勲(ヒューマンサイエンス振興財団(創薬プロテオームファクトリー施設))
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター)
  • 寒川 賢治(国立循環器病センター)
  • 南野 直人(国立循環器病センター)
  • 今岡 真義(大阪府立成人病センター)
  • 高坂 新一(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 鏑木 康志(国立国際医療センター)
  • 秦 順一(国立成育医療センター)
  • 太田 壽城(国立長寿医療センター)
  • 佐古田 三郎(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 高尾 敏文(大阪大学蛋白質研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 疾患関連たんぱく質解析研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
611,125,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国の主要な疾患である高血圧、糖尿病、がん、認知症、炎症・アレルギ-性免疫疾患等の患者と健常者との間のたんぱく質の種類・質・量の相違について、国立医療機関等より提供されるヒト試料を用いて、多数の最新鋭高性能質量分析機器及びバイオインフォマティクス技術を活用して大規模かつ効果的に解析する。疾患関連たんぱく質の探索・同定および機能解析等に係るこのような研究を行うことにより、疾患関連たんぱく質に関する創薬基盤データベースを構築し、将来の画期的な医薬品等の開発に資することを目的とする。
研究方法
各医療機関および創薬プロテオームファクトリー施設(以下PF)の倫理審査委員会において承認された研究課題にもとづき、PFに提供されたヒト試料を変性還元後、cICAT(H鎖)試薬により標識し、同様に処理してcICAT(L鎖)試薬で標識した健常人血清と混合後トリプシン分解し、得られた標識ペプチドをHPLCにて分画した。標識ペプチドの質量分析計による解析はnano-LCシステムによる分画後、QSTAR XLを用いて行った。得られたデータはHiSpecデータ解析システムに登録してたんぱく質の同定・比較定量処理を行った。
結果と考察
各医療機関から提供されたヒト試料は集中解析施設であるPFにおいて質量分析計を中心として網羅的に100-150種類のたんぱく質を解析し、疾患関連たんぱく質の探索・同定結果に基づくデータベースの構築を進めている。平成17年1月31日現在で、PF倫理審査委員会で承認された研究課題は19課題で、各医療機関より受け入れたヒト試料は153検体、そのうち血清試料については70検体を解析完了した。また、各研究協力機関はヒト試料の提供とともに、ペプチドの分離や質量分析法の基盤技術の開発、たんぱく質の機能解析や糖鎖の構造解析、血液以外の体液の解析などを進めている。
結論
疾患関連血清たんぱく質解析フロー(cICAT法)に基づき、各医療機関から提供されたヒト血清試料の同定・比較解析研究を実施し、そのうち、腎疾患ネフローゼ患者とパーキンソン病患者血清の解析結果については、関係医療機関に提示し、今後の対応を協議した。今後はさらに多くの患者血清の解析を進めるとともに、癌組織のたんぱく質解析法も確立し、統合データ解析システムを活用することにより、疾患の治療・予防に役立つバイオマーカーや創薬ターゲットの発見を目指したい。

公開日・更新日

公開日
2006-04-19
更新日
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