一般/療養病床の機能分化が医療供給及び地域の医療費に及ぼした影響に関する調査研究

文献情報

文献番号
200500065A
報告書区分
総括
研究課題名
一般/療養病床の機能分化が医療供給及び地域の医療費に及ぼした影響に関する調査研究
課題番号
H17-政策-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 陽二(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 あつし(国立大学法人 筑波大学大学院 システム情報工学研究科)
  • 近藤 正英(国立大学法人 筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
  • 西村 淳(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構)
  • 山村 麻理子(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成13年の第4次改正医療法では、病床について新区分が導入され、患者の病態に相応しい適切な医療供給を行うため、「その他の病床」が「一般病床」と「療養病床」とに分けられるようになった。基準病床数の算定については、一般病床と療養病床が同一に扱われており、適切な医療資源の配分を行うには両病床を分けて算定する必要が指摘されていた。さらに基準病床数自体の廃止についても議論が行われていた。そこで本研究では、一般/療養病床の機能の実状、一般/療養病床を選択する要因や地域の医療費に及ぼした影響について明らかにし、今後の地域医療計画のあり方について基礎資料を提供することを目的とした。
研究方法
 平成11年と14年の「医療施設静態調査」、平成11年から15年の「医療施設動態調査」、「病院報告」、および平成12年から15年の「介護サービス施設・事業所調査」を使用し、以下、テーマ1から3について研究を進めた。
・テーマ1:病床機能分化が医療提供に及ぼした影響について
・テーマ2:一般/療養病床の機能の違いについて
・テーマ3:医療機関の一般/療養病床の選択要因について
結果と考察
テーマ1:病院ごとの患者像やサービス内容を病床機能分化前後で比較すると変化は見られなかった。機能分化前に高齢者への医療サービス提供が主だった病院では、機能分化後も同様のサービス提供を行っていた。
テーマ2:周辺地域に病院・診療所数が多く、高齢者の少ない地域に立地し、病床規模の大きい病院ほど、一般病床の1病床あたりの新入院患者数や退院患者数は多かった。療養病床については、周辺地域に介護施設数が少ないほど、また介護施設を併設していないと1病床あたりの年間患者数が少なかった。
テーマ3:病床選択については、高齢者の多い地域ほど療養病床を選択する病院が多かった。
  
結論
 テーマ1と2を通じて、病床機能分化の効果や一般/療養病床の機能の違いを明らかにしたことは、今後の一般/療養病床のあり方や基準病床数の算定への政策の議論に対し、重要な情報となりえた。テーマ3では、医療機関が自由に病床選択を行う状況や、選択の結果が地域の医療費や医療資源等に及ぼす影響について検討を行ったことで、基準病床数廃止の是非や、廃止の場合に必要な政策を検討する際に貢献できる成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500065C