新任保健師の遠隔継続教育プログラムの開発

文献情報

文献番号
200401298A
報告書区分
総括
研究課題名
新任保健師の遠隔継続教育プログラムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐伯 和子(金沢大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 宇座美代子(琉球大学(医学部))
  • 和泉比佐子(札幌医科大学(保健医療学部))
  • 大柳俊夫(札幌医科大学(保健医療学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成14年度に開発した新任保健師の対人支援能力に焦点をあてた新任保健師、中堅指導者、管理者への教育プログラム及び遠隔通信システムを活用した支援プログラムを北海道、石川県、沖縄県で実施し、現任教育の評価を行うことを目的とした。
研究方法
研究方法は、大学と地域が協働で進める実践者参加型のアクションリサーチを用いた。プログラムの評価のための分析対象は、1年間のデータがそろっている平成15年度のプログラム参加者とし、新任者18名、中堅指導者は新任者の直接的な指導者17名(保健師経験年数は平均12.3年)、管理者は指導的立場にある保健師10名とした。データは、平成15年6月から平成16年3月に、郵送法による自記式質問紙調査を3回(管理者は2回)と、その他、OJTで活用した記録およびOff-JTの際のグループワークでの発言を評価の材料とした。新任者の保健師としてのアイデンティティの発達を明らかにすることを目的に、面接調査を行った。また、現任教育体制づくりに関する評価を行うために、研究参加者に面接を行った。
結果と考察
新任者教育プログラム評価:事例体験数と内容は増加し、プリセプター制への評価が高かった。自己学習や指導を求める姿勢には課題が残った。中堅者指導者教育プログラム評価:自己啓発の機会になっていたが、指導方法の習得は不十分であった。管理者教育プログラム評価:管理者としての意識づけには有効であったが、教育プログラムの運営評価には課題が残った。遠隔通信システムによる支援の評価:機器の設置が教育の意識づけとなり、手段としては有効性を示した。現任教育の体制づくり評価:市町村もしくは組織内での指導体制づくりのためには定期カンファレンスが有効であり、組織外の支援体制として保健所市町村支援機能の強化が今後の課題となった。
結論
新任期の地域保健従事者の現任教育は全国的な課題であり、本研究での成果は、地域保健従事者の現任教育一般にも適用できるものである。新任者の現任教育を組織的に取り組むとこと、プリセプター制の導入、指導者や管理者への研修とサポート体制の構築は、現任教育の重要なポイントであった。
本研究の対象は職種を保健師に限定し、教育の内容を対人支援能力の育成としたが、これらの結果は他の職種の育成にも活用できる。現任教育における遠隔通信システム活用の有効性が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200401298B
報告書区分
総合
研究課題名
新任保健師の遠隔継続教育プログラムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐伯 和子(金沢大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 宇座美代子(琉球大学(医学部))
  • 和泉比佐子(札幌医科大学(保健医療学部))
  • 大柳俊夫(札幌医科大学(保健医療学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、行政における新任保健師の継続教育のプログラムを開発し、その方法と内容の評価を行い、新任保健師の継続教育支援システムを構築することである。
研究方法
研究方法は、大学と地域が協働で進める実践者参加型のアクションリサーチを用いた。プログラムの評価のための分析対象は、1年間のデータがそろっている平成15年度のプログラム参加者とし、新任者18名、中堅指導者は新任者の直接的な指導者17名(保健師経験年数は平均12.3年)、管理者は指導的立場にある保健師10名とした。データは、平成15年6月~平成16年3月に、郵送法による自記式質問紙調査を3回(管理者は2回)と、その他、OJTで活用した記録およびOff-JTの際のグループワークでの発言を評価の材料とした。また、現任教育体制づくりに関する評価を行うために、研究参加者に面接を行った。
結果と考察
新任者の育成は、プリセプターによる指導体制をとり、職場の体制作りと指導者の指導を管理者が行った。3箇所の自治体と大学をテレビ電話で接続し、遠隔支援を行った。
新任者はベースライン時と1年終了時を比較すると、事例体験数、対人支援能力の自己評価ともに上昇していた。中堅指導者は、プリセプターシップ、コーチング、役割モデルを果たしていた。中堅指導者自身の対人支援能力の自己評価が向上していたが、Off-JTや自己学習のシステムづくりが必要と考える。管理者は新任保健師の対人支援能力育成に役立つと高く評価していたが、管理者自身の対人支援能力向上では評価が低く、管理者自身に対する継続教育プログラムが必要であることが示唆された。遠隔支援では、テレビ電話により“顔が見えること”の重要性、テレビ電話の存在自体がプロジェクトの意識付けに役立ち、遠隔継続教育におけるテレビ電話の有効性を示した。また、多地点接続によるコミュニケーションに対しても多くの者が興味を持っていた。
結論
本研究での成果は、地域保健従事者の現任教育一般にも適用できるものである。新任者の現任教育を組織的に取り組むとこと、プリセプター制の導入、指導者や管理者への研修とサポート体制の構築は、現任教育の重要なポイントであった。本研究の対象は職種を保健師に限定し、教育の内容を対人支援能力の育成としたが、これらの結果は他の職種の育成にも活用できる。現任教育における遠隔通信システム活用の有効性が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-