室内汚染微量化学物質の生体モニタリングと健康影響との関連に関する研究

文献情報

文献番号
200401260A
報告書区分
総括
研究課題名
室内汚染微量化学物質の生体モニタリングと健康影響との関連に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
内山 巌雄(京都大学大学院 工学研究科都市環境工学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 村山留美子(京都大学大学院 工学研究科都市環境工学専攻)
  • 川本俊弘(産業医科大学 医学部 衛生学)
  • 小山倫浩(産業医科大学 医学部 衛生学)
  • 一瀬豊日(産業医科大学 医学部 衛生学)
  • 嵐谷奎一(産業医科大学 産業保健学部)
  • 欅田尚樹(産業医科大学 産業保健学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
21,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではVOCsの生体試料中濃度と室内環境中濃度を測定することにより、精確な一般住民の暴露アセスメントを行うこと、またAldh2ノックアウトマウス(Aldh2-/- マウス)を用いてアセトアルデヒドを例とした感受性の違いや、有害性の検討を行い、いわゆる個体差を科学的に解明することを目的とした。
研究方法
①夏期、冬期の一戸建家庭とワンルーム型集合住宅の室内等のVOCs濃度等及び個人の化学物質尿中代謝物の検討、②京都市内の大学の新築校舎を対象とした、新築校舎内の空気汚染状況の把握や、校舎内空気中の化学物質濃度の変化の検討及び、移転対象者について尿中化学物質の検討による新築校舎の個人曝露量への影響の検討、③Aldh2-/- マウスを用い、発現遺伝子の網羅的解析等を行い、Aldh2-/- マウスを用いた個体差の科学的解明に関する検討を行った。
結果と考察
①一戸建では夏期冬季共に、測定対象のVOCs は3ppb 以下であった。尿試料ではオクタン、ノナン、デカンが比較的高濃度であったが、トルエン等の個人曝露濃度とその尿中代謝物との間に有意な相関は得られなかった。②新築校舎及び什器類では移転前でホルムアルデヒド濃度がやや高かったが、移転後は減少した。新築校舎への移転者では、移転前後の個人曝露濃度等の変化は顕著ではなかった。ただし、新築校舎の研究室在室中または後にスチレンの尿中濃度が非常に高くなる者があった。③Aldh2-/- マウスを用いた遺伝子発現の網羅的解析の結果、「Aldh2 遺伝子型により影響を受けるアセトアルデヒド曝露による遺伝子発現の変動」として、金属結合蛋白の遺伝子や障害蛋白認識・除去にかかわる蛋白の遺伝子に差が見出された。
結論
①戸建て、ワンルーム集合住宅では、VOC等の濃度は健康上特に問題があるとは考えられなかった。②新築校舎移転に伴う、室内空気汚染及び個人曝露量の検討を行った結果、築後6ヶ月間換気等を行った段階では、化学物質の高濃度汚染は認められなかった。ただし、研究室滞在中の被験者に尿中スチレンが高濃度で検出される例があった。③アセトアルデヒド吸入曝露により、特定の金属結合蛋白や障害蛋白認識・除去にかかわる蛋白遺伝子の発現が変動しており、このうちAldh2+/+ とAldh2-/- 間で明らかに遺伝子発現の差を認める遺伝子を同定した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200401260B
報告書区分
総合
研究課題名
室内汚染微量化学物質の生体モニタリングと健康影響との関連に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
内山 巌雄(京都大学大学院 工学研究科都市環境工学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 嵐谷奎一(産業医科大学 産業保健学部)
  • 欅田尚樹(産業医科大学 産業保健学部)
  • 川本俊弘(産業医科大学 医学部 衛生学)
  • 小山倫浩(産業医科大学 医学部 衛生学)
  • 一瀬豊日(産業医科大学 医学部 衛生学)
  • 村山留美子(京都大学大学院 工学研究科都市環境工学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではVOCsの生体試料中濃度と室内環境中濃度を測定することにより、精確な一般住民の暴露アセスメントを行うこと、またAldh2ノックアウトマウス(Aldh2-/- マウス)を用いてアセトアルデヒドを例とした感受性の違いや、有害性の検討を行い、いわゆる個体差をに解明することを目的とした。
研究方法
①室内汚染の実態調査を目的とし、戸建て、集合住宅、新築マンション、新築校舎等のVOCs等の室内濃度及び個人曝露濃度測定、そこで生活する人のVOCsの尿中代謝物及び未代謝物濃度の検討、②Aldh2-/- マウスを用い、発現遺伝子の網羅的解析等による個体差の科学的解明に関する検討を行った。
結果と考察
①戸建て、ワンルーム集合住宅、新築マンション、新築校舎では、殆どのVOCs、アルデヒド類の濃度は健康上問題があるとは考えられない濃度であった。新築マンションは低ホルムアルデヒド化、24時間強制換気システム仕様が普及、制度化してきており、対策の一定の効果が認められた。ただし防虫剤によるp-ジクロロベンゼンの室内汚染は同仕様においても高濃度に測定された。新築校舎では、建材等の使用の配慮、築後6ヶ月間換気等が室内汚染の低減化に効果があると思われた。さらに尿中未代謝VOCs濃度測定によるモニタリング手法を確立し、特にp-ジクロロベンゼンについてはスポット尿により体内濃度と室内濃度はよく相関した。また未規制の代替物質の検出、短期間高濃度の吸入によると考えられる化学物質の検出が尿中に認められ、尿中化学物質測定の有用性が示唆された。②動物実験から、アセトアルデヒドの吸入によりAldh2-/-マウスではDNAの酸化損傷が増加しており、ALDH2不活性のヒトでもアセトアルデヒド曝露によりDNAの酸化損傷が増加している可能性が疑われた。また特定の蛋白遺伝子の発現が変動しており、このうちAldh2+/+ とAldh2/- 間で明らかに遺伝子発現の差を認める遺伝子を同定した。
結論
厚生労働省の室内濃度指針値の設定等により一定の効果が得られ、室内汚染化学物質の濃度は減少傾向にある。ただし防虫剤使用によるp-ジクロロベンゼンについては、高濃度曝露起こる場合があり、注意が必要である。アルデヒド脱水素酵素2欠損マウスを用いた実験では、アルデヒド曝露による血中濃度、DNAの酸化的損傷、特定の蛋白遺伝子の発現の変動等が観察され、化学物質に対する個体差の科学的説明の一端が示された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-