安全性評価のための動物実験代替法の開発及び評価体制の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200401163A
報告書区分
総括
研究課題名
安全性評価のための動物実験代替法の開発及び評価体制の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大野 泰雄(国立医薬品食品衛生研究所(安全性生物試験研究センター、薬理部))
研究分担者(所属機関)
  • 小澤 正吾(国立医薬品食品衛生研究所(安全性生物試験研究センター、薬理部) )
  • 豊田 英一(日本化粧品工業連合会・技術委員会)
  • 田中 憲穂(食品薬品安全センター、秦野研究所)
  • 戸倉 新樹(産業医科大学 医学部 皮膚科)
  • 吉村 功(東京理科大学工学部経営工学科)
  • 大森 崇(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療統計学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
代替法に関する国際情勢の調査、化粧品や医薬品の安全性評価のための代替法の開発、および、新規代替法が行政試験法として適切であるか評価する。
研究方法
海外代替法情報は関連機関のホームページを定期的に検索するとともに欧米の化粧品工業会と連繋し収集した。評価試験法は公募した。細胞の変化はフローサイトメーターを用いて解析した。
結果と考察
EU加盟国の7割が化粧品指令第7次改正関連国内法を整備した。2009年までに完成するとEUが予測した代替法は皮膚腐食性、急性光毒性、皮膚刺激性、眼刺激性、経皮吸収/皮膚透過性及び光遺伝毒性であった。ICCVAMは4種の眼刺激性試験代替法を評価した。OECDはin vitroの光毒性、経皮吸収、皮膚腐食性(TER法及びヒト皮膚モデル法) 試験を採択した。
 酵母試験と溶血性試験を組み合わせた光毒性試験バッテリーの多施設バリデーション報告を評価し再現性の良い方法であるとしたが、酵母試験の反応ダイナミックレンジを大きくする必要がある。RIを用いない皮膚感作性試験代替法(LLNA-DA法)を評価し、簡便かつ迅速にLLNA法と同等の結果が得られる方法であるとし、多施設バリデーションを行うべきとした。
 ヒト由来細胞株(THP-1, U-937)を用い、CD86やCD54発現亢進を指標にした感作性試験代替法を開発した。ヒト表皮角化細胞でアポトーシス誘導を指標とするin vitro光アレルギー性試験を開発し、簡便かつ鋭敏な方法であることを示した。
 S9mix存在及び非存在下で化学物質の細胞毒性のIC50値を求め、反復投与毒性の無影響量との相関を調べた結果、24時間処理で相関が認められた。皮膚構成細胞に発現するP450分子種を明らかにした。
 遺伝毒性や発がん性における閾値の存在について,in vitro 試験で用量反応関係をある関数に限定できる時は,統計学的な判断が可能である。マウスリンフォーマ試験の解析には大森法が最良である。バリデーションにおいてミスの起こりにくいデータ入力フォーマットを作成するとともに、データクリーニングの手順書を作成した。また、ET50の推定法についてロジスティックモデルと対数線形モデルの併用が有効であった。
結論
EUで開発が困難とされた感作性試験代替法を我が国で開発できる可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2005-08-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-