既存添加物の発がん性等に関する研究

文献情報

文献番号
200401142A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の発がん性等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
神谷 研二(広島大学原爆放射線医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 三森 国敏(東京農工大学)
  • 関田 清司(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
61,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存添加物は、平成7年食品衛生法の改正時に経過措置として使用が認められたもので、科学的な安全性データに欠けるものが少なくない。既存添加物489品目のうち109品目ついては安全性評価が必要である。本研究では、ホコッシ抽出物、ルチン酵素分解物、及びジャマイカカッシア抽出物を選定しこれらの1年間反復投与毒性試験、並びにホコッシ抽出物の発がん性試験を実施する。その結果を厚生労働行政に反映することで、我国独特のものが多い既存添加物の安全性確保を目指す。
研究方法
1.予備試験
1)ホコッシ抽出物: Wistar Hannover系ラットへの投与量を決定する予備試験を実施した。
2)ルチン酵素分解物: ルチン酵素分解物への放射線照射の影響を検討する比較試験を実施した。
2.1年間反復投与毒性/発がん性併用試験
国立医薬品食品衛生研究所で確立されているプロトコールに準じて行った。
1)1年間反復投与毒性試験:F344ラット(ジャマイカカッシア抽出物)またはWistar Hannoverラット(ホコッシ抽出物、ルチン酵素分解物)を用いて開始した。
2)発がん性試験:Wistar Hannoverラット(ホコッシ抽出物)を用いて開始した。
結果と考察
1年間反復投与毒性/発がん性併用試験を開始し以下の成果を得た。ホコッシ抽出物では、Wistar Hannover系ラットへの適切な投与量を決定する予備試験を実施し適切な投与量を決定した。この結果にもとづき1年間反復投与毒性/発がん性併用試験を開始した。ルチン酵素分解物は、放射線照射によるルチン酵素分解物の変性が懸念されたことから、予備試験として放射線照射/非照射ルチン酵素分解物の比較試験を実施し、その差の無いことを確認した。現在、ルチン酵素分解物とジャマイカカッシア抽出物では、1年間反復投与毒性試験を実施中である。現在進行中の全ての試験は、ラットの健康状態も良く順調に経過している。試験途中にラット飼育生産施設(日本チャールス・リバー(株))での肺パスツレラ感染が発生し、一旦試験を中断した。このため試験は遅れた。
結論
ホコッシ抽出物、ルチン酵素分解物及びジャマイカカッシア抽出物を長期間反復投与したときの影響を科学的に評価する目的で1年間反復投与毒性/発がん性併用試験を開始した。本試験に先立ち予備試験を実施した。試験途中にラット飼育生産施設での肺パスツレラ感染が発生し、一旦試験を中断した。このため試験は遅れたが、その後試験は順調に進行している。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-