医療安全のための教材と教育方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200401021A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全のための教材と教育方法の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
上原 鳴夫(東北大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 飯塚 悦功(東京大学大学院工学系研究科)
  • 三宅 祥三(武蔵野赤十字病院)
  • 棟近 雅彦(早稲田大学理工学部)
  • 河野 龍太郎(東京電力株式会社技術開発研究所)
  • 本郷 道夫(東北大学大学院医学系研究科)
  • 北島 政憲(宝生会PL病院)
  • 高橋 英夫(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 安藤 廣美(株式会社麻生 飯塚病院)
  • 伊澤 敏(佐久総合病院)
  • 櫻井 芳明(国立病院機構仙台医療センター)
  • 水流 聡子(東京大学大学院工学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療安全の文化と改善の技法を組織の中に浸透させ、質と安全を確保するシステムとその継続的な改善を可能にするために必要な教育モジュールとその活用方法を提案する。
研究方法
16病院と品質管理・安全管理専門家・研究者の協力による【医療のTQM実証プロジェクト】(NDP)を実施し、医療安全の基本的考え方と技法について教材化を進めるとともに、以下のテーマに関して有効な対策を計画し検証した。
結果と考察
(1)投薬事故防止;危険薬の誤投与防止を中心に16の対策案と病院の取り組み事例を「NDPベストプラクティス」としてまとめた。注射薬の指示記載方法の標準化に向けて「注射指示の記載に関する標準指針案」を作成・提案した。(2)輸液ポンプ、シリンジポンプを用いた薬剤投与の安全管理;ポンプ使用に伴うインシデント防止を目的としてFMEAによるタスク分析と現状把握調査を行い、①操作確認チェックリストの作成方法の指針化、②安全使用のための手順と操作技術の実技教育プログラムおよび教材作成(知識カタログと実技教育用ビデオ教材等)を行った。(3)転倒転落の防止;①注意シールの作成と効果の検証、②運動療法(筋力、バランス能力、移動動作の維持・改善)、③「発生率」と「深刻度」を指標とするベンチマーキング、④事故分析用ツールの作成、を行いその効果を検証した。(4)臨床研修の安全管理;①鎖骨下静脈穿刺と静脈注射の<リスク因子予知分析表>を作成しこれを基にITを使った教育教材を試作した。②医療安全を考慮した臨床研修の指導計画と安全管理体制に関する現状調査、③シミュレーション・トレーニングの現状調査と実技研修への活用方法の検討を行った。 (5)5SとKYT;3病院で「5S」を試行し、導入を援ける教材と実施指針を作成した。KYTの目的と教材シートの作成方法を手順化し、啓発・普及のためにKYTコンテストを実施した。(6)医療版TQM教育モジュールの開発;方針管理と日常管理に役立つ手法と産業界の事例について研究し、医療の適用事例を試作した。現在、医療版TQMモジュールを作成中である。(7)手術映像記録の活用方法;手術の映像記録の活用に関して、可能性と制約事項について検討した。(8)その他の医療安全教材の開発; 医療安全の基本的考え方についてDVD教材を作成した。
結論
研究成果を3月開催の公開シンポジウムで発表した。(http://www.ndpjapan.org)

公開日・更新日

公開日
2005-10-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-07-14
更新日
-