小児救急医療における患者・家族ニーズへの対応策に関する研究

文献情報

文献番号
200400970A
報告書区分
総括
研究課題名
小児救急医療における患者・家族ニーズへの対応策に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
衛藤 義勝(東京慈恵会医科大学小児科学講座・DNA医学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
9,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児救急医療の危機は、供給側と需要のバランスの崩れによる。本研究では、受診行動を調査し、保護者のニーズを探り、知識啓蒙のためのHP作り、そして提供側の実態の再調査を行ない、このオフバランス解決の基礎データを提供することを目的とした。
研究方法
on-line QQ「こどもの救急」ホームページ構築は専門家のパネルによった。患者の受診行動調査、小児救急関係HPへのアクセスの調査、病院小児科勤務医実態調査は、アンケート方式によった。
結果と考察
3-1.on-line QQ「こどもの救急」ホームページ構築
時間外受診で多い19項目に絞り、小児救急受診の目安や観察のポイントを示したホームページを作成した。詳細は近くアップされるHPをご覧頂きたい。
3-2.受診行動調査
曜日別では土曜日23.1%、日曜日35.2%で、受診時間帯別では平日深夜帯は全体で約20%、大都会では30%を超えた。これは受療側が「週末」「時間外」を言う意識を持っていないことを示す。今後の情報入手手段としての期待は、携帯電話やインターネットの利用が66.4%、電話相談へは77.0%であった。
3-3.小児救急関係HPへのアクセスの調査
インターネットによる「こどもの健康」情報を知っているが56%で、その内の64%は使ったことがあった。「役に立った」が多く、我が子の状況に合わない、検索に時間がかかる、などの問題点が指摘された。ただ、携帯電話は81%で持っているがインターネット利用は39%に留まった。
3-4.病院小児科勤務医実態調査
超過勤務実態調査では、月間80時間が中央値であった。平日宿直は平均2.4回、休日日直1.1回、休日宿直2.1回、その他オンコール7.3回となっている。宿直の次の日の勤務状況は91.7%の施設で翌日も通常勤務であった。
結論
小児救急の問題は、提供側と受療側と協同して事態改善に向かう必要がある、あるいは、それが解決への唯一の道であるとの認識が必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-