文献情報
文献番号
200401420A
報告書区分
総括
研究課題名
選択的リンパ球吸着療法による免疫性神経筋疾患の治療
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
渋谷 統寿(国立病院機構長崎神経医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 松尾 秀徳(国立病院機構長崎神経医療センター)
- 吉良 潤一(九州大学医学部)
- 祖父江 元(名古屋大学医学部)
- 荻野 美恵子(北里大学医学部)
- 津田 裕士(順天堂大学医学部)
- 野村 恭一(埼玉医科大学)
- 服部 孝道(千葉大学医学部)
- 藤原 一男(東北大学医学部)
- 菊池 誠志(北海道大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
全血フロー系でCD4+T細胞を選択的に除去する体外循環システムの臨床応用に向けて、有効性および安全性の確認を行う。
研究方法
健常人を対象とした体外循環試験のプロトコール等を作成し、各施設の倫理委員会に諮り、体外循環試験を実施し、性能と安全性を評価する。
結果と考察
2003年度の健常人での体外循環試験で、発熱および肝機能障害を認めた。原因として用いたモノクローナル抗体および充填剤にエンドトキシンが含まれていた可能性が考えられたため、治療器の濾材とウサギ血漿による抽出液を用いて発熱試験を行い、血漿との接触によりエンドトキシンが遊離し、発熱することを確認した。CD4陽性T細胞除去器を改良し、以前の除去器の濾材と比較検討しながら、エンドトキシンの検出および発熱がないことを確認した。また、体外循環を複数回施行時の安全性を確認するために、イヌで8日間の間隔で2回の体外循環を施行し、アレルギー・アナフィラキシー症状などがないこと、体温、血圧、脈拍などVital Signに異常のないことを確認した。これらの結果をもとに倫理委員会で体外循環試験再開が承認された。改良した治療器で健常人での体外循環試験を行い、選択的細胞除去能が確認され、有害事象はなく、安全であることが確認された。
結論
健常人での体外循環試験で、安全性と選択的CD4陽性T細胞除去能が確認され、この治療器を用いたT細胞介在性の免疫性神経疾患(多発性硬化症など)の体外循環治療の可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2005-04-28
更新日
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