文献情報
文献番号
                      200400696A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      上気道及び下気道アレルギーの臓器過敏性における臓器特異的免疫基盤の解明と早期治療法の開発
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      -
                  研究年度
                      平成16(2004)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      岩本 逸夫(千葉大学大学院医学研究院細胞治療学)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 福田 健(獨協医科大学)
 - 岡本 美孝(千葉大学大学院医学研究院)
 - 田村 弦(東北大学医学部)
 - 谷口 正実(国立相模原病院臨床研究センター)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
                  研究開始年度
                      平成16(2004)年度
                  研究終了予定年度
                      平成18(2006)年度
                  研究費
                      13,000,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            気管支喘息及びアレルギー性鼻炎の病態の根幹をなす気道過敏性の発症機構は不明であり、気道過敏性の早期診断法と有効な治療法が確立されていない。本研究班は、以下の研究計画により、気道過敏性の臓器特異的発症機構の解明と早期診断法の開発を目的とする。
      研究方法
            1)気管支喘息の気道過敏性におけるTh2型気道炎症の役割について、呼気NO濃度と呼気凝縮液LTC4/D4/E4値が、気道過敏性の鑑別の指標となるか否か検討した(福田)。
2)気管支喘息の気道過敏性における鼻茸副鼻腔炎によるロイコトリエン(Cys-LTs)過剰産生について、喘息患者の尿中LTE4と喘息重症度、アスピリン過敏、鼻茸副鼻腔炎との関連を検討した(谷口)。
3)アレルギー性鼻炎の鼻過敏性におけるTh2型気道炎症の関与について、鼻粘膜のT細胞のsubpopulation,CD23陽性B細胞の検討を試みた(岡本)。
4)3次元CT撮影を用い、気道の3次元的連続的評価を行い、気道過敏性と喘息気道の特徴を検討した(田村)。
5)アレルギー性気道炎症の制御機構について、Stat5aによるStat6非依存性のアレルギー性気道炎症をStat5a/Stat6ダブル欠損マウスを作製し解析した(岩本)。
倫理面への配慮
患者から提供される検体の取得に際しては、担当医師から研究の方法、必要性、危険性及び有用性、個人情報の保護、さらに拒否しても不利益にならないことを十分に説明した後、同意が得られた場合のみ行った。また実験動物を用いた研究は、動物愛護に配慮し、実験動物委員会の規定に従った。
      2)気管支喘息の気道過敏性における鼻茸副鼻腔炎によるロイコトリエン(Cys-LTs)過剰産生について、喘息患者の尿中LTE4と喘息重症度、アスピリン過敏、鼻茸副鼻腔炎との関連を検討した(谷口)。
3)アレルギー性鼻炎の鼻過敏性におけるTh2型気道炎症の関与について、鼻粘膜のT細胞のsubpopulation,CD23陽性B細胞の検討を試みた(岡本)。
4)3次元CT撮影を用い、気道の3次元的連続的評価を行い、気道過敏性と喘息気道の特徴を検討した(田村)。
5)アレルギー性気道炎症の制御機構について、Stat5aによるStat6非依存性のアレルギー性気道炎症をStat5a/Stat6ダブル欠損マウスを作製し解析した(岩本)。
倫理面への配慮
患者から提供される検体の取得に際しては、担当医師から研究の方法、必要性、危険性及び有用性、個人情報の保護、さらに拒否しても不利益にならないことを十分に説明した後、同意が得られた場合のみ行った。また実験動物を用いた研究は、動物愛護に配慮し、実験動物委員会の規定に従った。
結果と考察
            1)喘息患者の呼気NO濃度と呼気凝縮液LTC4/D4/E4値は、有意に高値を示し、PC20値と負の相関を示すことより気道過敏性の早期診断に有用と考えられた(福田)。
2)鼻茸副鼻腔炎合併喘息で高LTE4尿症を認め、切除手術後に尿中LTE4が正常値まで低下した(谷口)。
3)アレルギー性鼻炎患者鼻粘膜ではCCR4陽性T細胞が増加していた(岡本)。
4)今回の解析法は、気道を連続的に評価することが可能で、内径1mmまで観察可能であった。健常者は、第10次分岐で内径1mmになっていたが、重症喘息患者は、第4―5次分岐で内径1mmとなっていた(田村)。
5)Stat5aはStat6非依存的にTh2細胞分化を誘導し、アレルギー性気道炎症を増強した(岩本)。
      2)鼻茸副鼻腔炎合併喘息で高LTE4尿症を認め、切除手術後に尿中LTE4が正常値まで低下した(谷口)。
3)アレルギー性鼻炎患者鼻粘膜ではCCR4陽性T細胞が増加していた(岡本)。
4)今回の解析法は、気道を連続的に評価することが可能で、内径1mmまで観察可能であった。健常者は、第10次分岐で内径1mmになっていたが、重症喘息患者は、第4―5次分岐で内径1mmとなっていた(田村)。
5)Stat5aはStat6非依存的にTh2細胞分化を誘導し、アレルギー性気道炎症を増強した(岩本)。
結論
            本年度の研究により、気管支喘息とアレルギー性鼻炎の気道過敏性の臓器特異的発症機構の解明と早期診断法の開発に重要な多くの研究成果が得られた。
      公開日・更新日
公開日
          2005-05-12
        更新日
          -